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迎えに来る猫

2019/07/12

俺のばあちゃんが子供だった頃、
家で猫を飼ってたらしい。
で、ばあちゃんの父ちゃん(以下ひいじいさん)が
畑仕事から帰る時間になると、
決まってその猫が迎えに行ってたんだと。
ある日、いつもの時間よりだいぶ遅くなってから、
猫が迎えに来たことがあった。
ひいじいさんは猫に向かって、
「今日は随分遅かったなぁ。心配したぞ」
と、何となく言ったそうだ。
すると驚いたことにその猫が、
「今日はおじやが熱くて食べるのに時間かかった」
とつぶやいたそうだ。
家に帰って、ばあちゃんの母ちゃんに、
さっきの話しは伏せておいて、
「猫が来るのが今日は遅かったなぁ」
と、それとなく言ってみると、
「あぁ、今日はおじやが熱かったみたいで、
随分食べるのに時間かかってたみたいで」
と、猫が言ったことと
全く同じ答えが返って来たそうだ。
それ以来、何だか怖くなったひいじいさんは、
その猫ににぎり飯を背負わせ、
「おまえは多分、化け猫だ。
人間とは一緒に暮せねえ。元気で暮せ」
と、山に捨てたと言うことだ。
その話を聞くたびに、
猫が可愛そうで納得がいかなかった。

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