狩野英孝「奇妙な言い伝え」
2019/07/09
狩野さんの実家の宮城県の桜田山神社。桜田という地名の奇妙な言い伝え。
昔、赤子を背負い田んぼで作業していた母親が、誤って背中から赤子を落としてしまい、でき死させてしまった。
母親は供養の為に田んぼに桜を植えた事から、桜田という地名に。
小学生のころ、夜中にトイレに起きて神社の長い廊下を歩いて行かなければならない。
ある夜、トイレに行こうとしたら、廊下の奥に何か気配がする。
目を凝らして見るとそれは白い女性の手で、狩野さんに向かって“おいでおいで~”をしている。
慌てて父母の元へ走り訴えたが、父は「そんなもの出る訳がない」と取り合ってくれず。
(結局トイレはどうしたのかには触れず)
暫く経ったある日、夜寝ていると金縛りに遭った。
部屋の隅の方で、女性の「クスクス」という笑い声が聞こえた。
その笑い声は段々近付いて来て、顔の前まで。
早く朝になれ!と念じていて、気付くと朝になった。
その後に父母と狩野さんで茶の間で朝食を摂っていると、
弟が階段を駆け降りて来て「女の人が!女の人が!」と泣く。
弟は前夜、畳の上で壁に寄りかかり、一人で漫画を読んでいた(体育座りを楽にした座り方)。
すると、ガラスをゆっくり踏んで割れるようなピキピキした音がする。
何だろうこの音と思った途端に、身体がピーンと一直線になり、金縛りに。
驚いていると、上半身だけの女性が弟の目の前を通り過ぎて行く。
その時に「クスクス」という笑い声が。
そのまま気を失い、朝目覚めたので父に訴えるも、「そんなの有る訳がない。夢でも見たんだろう」と取り合わない。
狩野さんは、自分が見た女性と同じだろうと思った。
桜田の地名の元となった、子供を亡くした母親が成仏出来ずに居て、子供の前にだけ現れるのではないか?