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人がいない

2019/07/02

約10年前、当時青森に住んでいたときの話。
中学生の自分が、
青森市○○会館という場所に所用でいたときのこと。
用事も終わり、帰ろうと思って
施設内の時計で確認した時間は、
確か17時ちょいすぎ。
外の公衆電話で父親を呼び出し帰ろうとしたんだが、
まだ仕事があるからムリと断られ、
歩くかバスを使って帰ることに。
しょうがないので歩き出したが、
歩き出して少ししてから外の様子がおかしいことに気付いた。
まず、外が異様に暗い。
それでいて人の姿がない。
車すら走ってない。
店は全て閉まっていて、コンビニすら閉まってる。
ガソリンスタンドも途中あったが、
やはり店員の姿がなく営業していない。
その暗い街中で街灯と信号機だけが光っていて、
道はオレンジに照らされてた。
この異常な光景に不安を覚えながらも、
一つ一つ自分の記憶と照らし合わせ、歩くこと30分程。
バス停か、帰り道に繋がる地下通路へ向かうため
目印にしていたマク○ナルドを探すも、見つからない。
○ーソンの横がマク○ナルドなんだが、
○ーソンがあってマク○ナルドだけがない。
来た道を戻り、また照らし合わせて歩くも、ない。
だがマック以外は同じ立地。
「記憶違いか?」
と思って、その場所からバス停探すも、
バス停も見つからない。
最後の望みで地下通路を探してたら、
急に変な場所に出て、見たことも無い通りに出た。
不安度は更に上がるも、
何とか帰らなければと黙々と歩く。
ふと見上げると
『この先十和田まで○キロ』
という看板。
「は?」
完全に道が違う!と確信した自分は慌てて引き返すも、
またしても見たこと無い場所に出てしまった。
路地裏みたいな場所というのか。
そこでようやく人影を発見。
黒い人影がユラユラ揺れながら奥に1人。
「酔っ払いのおっさんか」
と思うも、一瞬で消えてしまい、
また次の瞬間違う場所にそれが現れた。
異常な空間で不安も絶頂、
半ばパニックだった自分は直感で
『逃げる』という選択肢をし、走り出した。
どう走ったか覚えてないが、とにかく必死に。
そして気付くと○○会館前まで戻っていた。
ほんの数分で。
慌てて電話ボックスに走り、また父親に電話。
仕事も終わったし今から迎えに行くと言われ、
とりあえず安心。
20分程して父親の車が到着。
車に乗り込んで、
今まであったことを父親に話しながら車の外を見てみると、
店はしまっていなかったし、人もいる、車も走ってる。
本当に呆気にとられた。
余談なんだけども、
自分の一家は拝み屋?の家系だとかで、霊感家族なんだが、
この『誰もいない空間』には生きてた人間はいなかったものの、
透明な人間は多くいた。
信号機の上に座ってたり、謎の行列をなしてたりだとか。
だからこそ異常さがハンパなかった。

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