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千円札とおじさん

2019/07/01

昔、夫婦が経営する飲食店でバイトをしていました。
ある時、カウンターに座っていたお客の女性に呼ばれました。
セリフの言い回しはその通りではないですが、
内容はほぼ覚えています。
「うちの旦那の話を聞いてほしい、
自ら呼ぶのは珍しいからよっぽどの事。
変に思うかもしれないけど聞いて」
女性は綺麗な40代ぐらい、
男性は品がいい50代ぐらい。
話し方は穏やかでした。
話の内容はこうでした。
まず信じてもらう為なのか、
その時の自分の身辺の事をこまごまと言い当てました。
その後、
「近々恋人とN市に行く事になる。絶対行ってはいけない。
まぁ行く途中に軽い事故に遭い、行く気も失せるだろう。
本当ならこれから色んな災難が起こる。それを少しでも阻止したい。
この千円札を持っていてほしい。
使うと今の生活を支えているもの、生活の場をまず失う。
その後さらにひどい状況になる。
状況が改善するには年単位かかる。
○歳になったら旅をしている占い師に会う機会がある。
会って話を聞くこと。
ある事とそれが起きる年齢、妹の事を言われるが、
その年齢の時には妹と近いところで生活している。
それまでは、まさかこの土地で近くに妹と住むわけがない、と思っている。
占い師のいうある事なんて起きない。
難しいが、母親に会う必要性が出てくる。
頑張りなさい」
細かいとこは長くなるので省きました。
怖い話や不思議な話大好きなので興味深かったが、
言い当てた事は、すごい小さな田舎の街だったので、
なんか見たり聞いたりしたのだろうと思った。
千円札もらう時、
「私は予言ができるわけじゃない、分かっている事実を言っている」
と何度も言っていたのが、
なんか痛い人なのかな、という印象だった。
話を聞いていた経営者の奥さんも、その夫婦が帰った後、
「気にしない方がいいよ。
あの人、この店がオープンした時も、
『この店は奥さんが外国人と逃げた事が原因でなくなる』
なんて失礼な事言いに来た。
変な人だから気にしない事」
と言っていた。
が、数日後。
おじさんが言っていた事は本当になった。
まずN市に行く途中事故に逢った。
当時10代だった事もあり、
深く考えず千円札でお弁当を買ってから、
本当に生活の場を失い、本当に大変な目に遭った。
数年後、当時のバイト先が気になり、マスターのお店を訪ねると、
奥さんがフィリピン人の男性と逃げてお店はなくなっていた。
占い師にも会った。
妹と近所に住んでいる。
まさかと思ってたのに。
母親も探している。
もう一度あのおじさんに逢いたいです。

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