優しい祖母
2019/06/29
私の家は共働きで、私は小学生の頃は夏休みとか冬休みをほぼ祖母の家で過ごしてた。
その頃の話。
冬休みに行くと祖母が干した干し柿が軒先に下がってて、私はそれが好物だった。
干し柿が食べたい時は祖母に言って取ってもらってたので、その時も祖母を呼びに行った。
居間を覗くと、いつもの場所に座った祖母の膝に知らない子が座ってた。
祖母はその子の頭を撫でている。
近所にそのくらいの年代の子はいないし、誰だ?と思ってたらフッと消えた。
そこで私に気付いた祖母は、
「なんね、柿食いたかと?」
といつもの調子で言った。
柿を取ってもらいながら、さっきの子の事を聞くと、
「私も知らん子けど、最近よう来て甘えてくるけん、好きにさせとると。悪さもせんし」
との事。
その後も、その子が祖母にくっついてるのを数回見た。
明らかに人外の何かと平然と付き合う祖母が、当時はちょっと怖かったが、
今になって考えると、祖母は優しいからなぁと、ちょっとしみじみする。