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高熱を出すと必ず見てた夢

2019/06/28

子供の頃、高熱を出すと必ず見てた夢がありました。
夜中に、多分どこかの山中で横たわっているんです。
雨も降っていて、寒いのかも知れないけど感覚が無い。
手足を動かそうと思っても全く動かないし、
声も出ない、視線も動かせません。
近くで話し声が聞こえて、
火を起こしながら二人の男性が会話してる。
「もう出せる涙もないよ、雨まで降ってくるしよお。情けないやらで・・・」
「・・・それでも元気ださにゃしょんないら」
とか、そんな話をしていて。それはハッキリ聞こえるんです。
そのうち二人が近寄ってきて、片方の男に持ち上げられて、
「悪いなあ・・・」
と言われながら、火の中に放り込まれるんです。
悲しいとか、憎いとか、そういう感覚は無くて、
単に寂しくて、一人で奈落の底に落ちていくような感覚で、
そこで必ず涙を流しながら起きちゃうんです。
そういう夢を子供の頃よく見ていたんですよ。
それで、その夢ってのはもう見なくなって久しいし、
ほぼ完全に忘れてたんですよね。
で、こないだ静岡の方で母方の法事があったんですよ。
母方の祖父の兄・・・大叔父って言うのかな?
お爺ちゃんのお兄さんですね。
もう100を超えて大往生だったんですけど、
老衰で亡くなりました。
葬儀の席で久しぶりに祖父(もう95歳)と話しこんで、
大叔父の若い頃の話になりました。
母も知らないような大叔父の若い頃の話がたくさん聞けて、
結構楽しんでました。
話しているうちに祖父が少しずつ、
「でもな、兄貴もな、今だから話せるけどよ、
戦争以外にもつらい目にあってんだからなあ・・・」
「おっきい病気して、ほうほうのていで大陸から戻ってきたら?
んで、長年出来なかった子供にも、ようやく恵まれたと思ったら、
嫁さん流産しちゃったもんで・・・
嫁さんも死んじまって、かわいそうな事だったよう・・・」
「兄貴も村で一人だけ、大陸から戻ってきちまったもんだで・・・肩身も狭くてよお。
裏では色々陰口叩かれてたら・・・あいつだけ戻って子供こさえてなんてのう。
おらそういう陰口聞くたびに、我慢出来なくて、何度殴ろうと思ったか・・・」
ヘビーな話だなーと思いながら聞いてた訳なんですけれども。
「結局子供は、ロクなお経もあげてやれなくて、
オラと二人で裏山で燃しただよ。
兄貴も泣いて泣いて、情けねえもう涙も出ないって・・・
オラも兄貴元気出せやって励ましたけど、
雨は降ってくるし中々燃えねえしで・・・」
とそこまで聞いて、夢の事思い出して、
あれひょっとしたらこの話・・・って思ったんですよね。
夢の中の男二人は祖父と大叔父だったのかな、
何か不思議だなーと思って書きました。

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