公園のベンチに座り込んでるおじいさん
2019/06/14
俺が小5だった頃の出来事。
学校帰りに公園のベンチに座り込んでるおじいさんがいた。
おじいさんは胸の辺りを押さえていて、俺が
「大丈夫ですか?」
と声をかけたら、
「カバンの中の薬を出してくれ」
と頼まれた。
ちかくにカバンが落ちていて、
中から薬と水筒をだしておじいさんに渡した。
薬を飲み終わったおじいさんが、
「坊や、優しいね。ありがとう。
大人になってもこの優しさをわすれちゃだめだよ」
とお礼を言われた。
知らない大人から誉められたのが嬉しくて、
さっそく母親に報告。
すると母親に、
「あそこの公園?薬と古い水筒出さなかった?」
(母に言ったのは薬のことだけで水筒の事は話さなかった)
と聞かれたので、
「渡した」
と話した。
すぐに母と一緒に公園に行き、
おじいさんを探したが見つからなかった。
何でも、母も子供の頃に全く同じ体験をしたとか。
あとから知った事なのだが、
昔、(うちのおじいちゃん世代(小5当時で80くらい?))のお年寄りが、
公園のベンチで座り込んだまま亡くなっていた事があったとか。
その時のお年寄りの所持品が、心臓の薬と古い水筒だったとか。
今でも不思議に思う実話。
うちの娘は今小4。
俺と同じ学校に通っている。
一応、この話はしてあるので、
もしもこの出来事に遭遇したら名前を聞くように頼んである。
そこで名前がわかったら、母と俺と娘で墓参りに行こうと思う。