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北海道へ引っ越した

2019/06/14

結婚してすぐ夫の転勤で
北海道へ引っ越した。
知り合いもなく、
気持ちが沈んだ状態でいたある日、
なんとなく友達の言ってた話を思い出して
反芻しながら道を歩いてた。
その話とは、
「この世の中には神様が7人いて、
人間のふりして普通に生活してるんだって」
っていうヘンな話。
ホントにいるのかな~、
いるわけないよな~などと思いつつ歩いていると、
前方から小学校低学年くらいの女の子が歩いてきて、
いきなり
「ただいま~」
って大きな声で挨拶してきた。
もちろん全然知らない子なのだけど、
あまりに元気に挨拶されたし、
誰かに明るく声をかけられるのも久しぶりだったから、
「おかえりなさい」
って返事をした。
そしたら、その子がニコニコ笑いながら
じっと顔を見つめてきたので、
「何?」
って言ったら、
「私、そうだよ!」
って言ってきた。
「何が?」
って聞き返したら、
「私、そうなの。じゃあね~!」
って走っていってしまった。
何のことだろうと思ってしばらく考えた後、
ハッとした。
もしかしてあの子神様だったのかな~
今度会ったら聞いてみよう!
と本気で思った。
ホントに神様だったのか、
何だったのか分からないけど、
ここの生活もまんざらでもないなって
思いはじめるきっかけになった。
4年後にまた転勤で東京に引っ越す頃には、
住んでた街のことが名残惜しく感じるほどになっていたけど、
あの子にはそれ以来一度も会えなかった。

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