放課後の音楽室
2019/06/14
これは私がまだ10歳(当時小学4年生)の時の話です。
私は放課後(部活の帰り)、
一人部室(音楽室)に残って少し練習をし、
楽譜の整理もしていました。
先生も友達もいません。
グラウンドには、男子の声が響いていました。
そして、時計がちょうど4時(くらい)を指した時でした。
『・・・寂しいなぁ』
という声が聞こえ、振り向くと、
グランドピアノの上に、
私より1,2歳年上と思われる男の子が座っていました。
当時から、霊とは絶対目を合わせない!
というのが私の鉄則(?)でしたので、
目をそらそうと思ったのですが・・・
その男の子が
あまりに綺麗な顔立ちをしていたので、
目をそらす事ができず・・・ぱち。
「(しまった・・・)」
『ねぇ、君・・・俺が見えるの?』
と聞かれたので、
「・・・うん」
と思わず答えてしまいました。
『・・・俺、ずーっとここで一人ぼっちなんだ』
「?なんで・・・?」
私は彼の話を聴くことにしました。
『俺さ、大分前に、ここの教室から飛び降りたんだよ』
「なんで?」
『・・・イジメ』
「・・・そっか」
私は何故か彼の話を親身になって聞いていました。
『お前が始めてなんだ。俺を見て、驚かないで話し聞いてくれたの』
と彼は言うと・・・
『ありがとう』
それだけ言って消えてしまいました。
私はなんだかわからないけど涙が出ました。
「・・・初恋・・・だったのになぁ」
と呟いたのは、
本当の恋だったからでしょうか?
でも、彼はきっと成仏したでしょう。
ちょっと切ない、幽霊との会話でした。