本の虫一族
2019/06/13
小さい頃、友達の家に遊びに行ったんだ。
そいつの家は本の虫一族で、部屋の一つが巨大な本棚だった。
そいつに「面白い本が何か無いか?」と聞くと、
そいつは先ず、一冊の本をそいつの胸元ぐらいから引き出して、
その本の内容をパラ見してた。
そいつはその本を読んだまま、右手をちょいと右手に出した。
すると、本棚の最上段から本がずるっと一冊だけ、
そいつの右手に納まるように落ちてきた。
「この本、写真が多いから面白いよ」
そう言って、そいつは自分にその本を差し出してくれた。
当時は何とも思わなかったけど、アレは一体なんだったのだろう…
そういえば、返す時もそいつ、本をぽいと投げて、その最上段の隙間に入れてた。