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アキちゃん

2019/06/12

小さい頃、私は積み木やブロックを与えれば
何時間でも一人で遊んでる子でした。
母によると、笑い声や話し声から
私は誰かと一緒に遊んでいる様子だったらしいです。
子供特有の見えない友達と思いつつ、
「誰と遊んでるの?」
と聞いてみたとか。
私は
「アキちゃん」
と答えたみたいです。
アキちゃんは男の子で、
小学生くらの大きさだと私から聞いたとか。
母は
「何でアキちゃんは○○と遊んでくれるの?」
とも私に聞いたらしいです。
それには
「○○が小さくて心配だから、
ちゃんと大きくなるように見てるって!」
と答えたようです。
よく考えると、
小学校に入る前まで
アキちゃんに面倒を見てもらってた気がします。
幼稚園で遊具から落ちた時に、
抱き留めて貰って無傷だったり、
田舎で迷子になりかけた時に、
家族の所まで連れて行ってもらったり。
小学校に上がってからはア
キちゃんは現れていないと思います。
母がアキちゃんの話をして
思い出したくらいです。
まあ、そんなこんなで何とか社会人に。
昔から方向音痴なので、
出張先から帰る時に駅の場所が分からず
迷子になりました。
仕方がないので、
近くにいた小学生くらいの男の子に道を聞くことに。
男の子は
「…あっち。もう大きんだから、ちゃんとしてよ」
と盛大に呆れていました。
私は苦笑いでお礼を言うのが精一杯でしたが、
後から、あの子がアキちゃんだった気がしてなりません。
そこはオフィス街で、
子供がいるのは不自然な場所でしたし。
私に先に亡くなった兄などは居ないと聞いてますし、
アキちゃんは何者なのか謎のままです。

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