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線路と川の間にある平地

2019/06/11

小学校2年生の時です。
私の通う学校は通りの向こうが川でした。
川向こうは線路なのですが、
どういう訳か線路と川の間に
一角だけ切り立った平地がありました。
そこにはこんもりとした竹林と、
畑であっただろう場所があります。
川は浅いのでそちらに渡る事は出来るのですが、
当然厳しく禁止され、
その禁忌を破る者もいませんでした。
畑は何か植えている様子はありません。
それでも誰かが手入れするのか、
雑草が生える事はありませんでした。
そこに行くには線路を越えるか
川を渡るかしかないので、奇妙な話ではあります。
下校時、私は畑の端、川の側に奇妙なモノを見ました。
重厚な造りの木製の扉が一枚だけ立っているのです。
奇妙に思い、扉の線路側と川側が見える場所に行きました。
扉は一枚だけぽつねんと立っています。
と、扉が川側に開きました。
向こう側には何もないはずなのに、
純白のウエディングドレスを着た女性が現れました。
「あ、お嫁さんだ!」
と思っていると、
その女性は川に向かって飛び込みました。
あ!と思って川を見ますと、
女性の姿はありません。
不思議と恐怖は感じませんでした。
ただ不思議で首を捻っていると、
いつのまにか閉じていた扉が又開き、
先程のお嫁さんが現れます。
そして川へ飛び込みます。
これが5回繰り返されました。
下校時にも関わらず、友人は一人も来ません。
幽霊とは思わなかったのですが、
とんでもないモノを見ているとは思いました。
走るように帰宅しましたが、
子供心に誰も信用しないと思いましたので、
今まで語る事はありませんでした。
未だにそれが何なのか分かりません。
平地はまだあります。

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