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キャンプ場の獣

2019/06/10

あれはワシが小学校五年の頃。
ボーイスカウトのサマーキャンプで兵庫県の
とあるキャンプ場に行ったんです。
トイレは工事現場とかにある仮設トイレが一つ。
水道は無く、ポンプ井戸が一基。
なーんも無いキャンプ場でした。
そして、三日目の夜。
ぐっすりテントの中で寝ていると、
班長(中2)に起こされました。
理由は「テントの外になんかおる」
「静かにしてりゃ分かる」と言われ、
そのまましばらく待っていると、音がしました。
コンクリートの床を竹箒でゆーっくり掃いたような、
しゃあぁっ、しゃあぁっ
っていう音がしたんです。
もうマジでビックリして、音がした方をよーく見ると
犬ぐらいの大きさで、耳が短い獣が、月明かりを背に座ってるんですよ。
「なんかいますよ!」ってワシが班長に報告すると、
班長もコクッて頷いて、固まってるんですよね。
そのまましばらく硬直が続きました。
それからしばらく経って、さらに追い打ちがかかりました。
最初
しゃあぁっ、しゃあぁっ
って声は一つだったんですよ。
そしたらテントの下の方(崖になってた)からも
しゃあぁっ、しゃあぁっ
って声が聞こえてきて、どうやら
二匹で交信してるっぽいんですね。
しゃあぁっ、しゃあぁっ
2~3秒おいて
しゃあぁっ、しゃあぁっ
それがずーっと続くんですよ。
そしてついに班長が口を開きました。
「オレらを喰う気やな」
小学校五年生にしては一番考えたくなかった結末です。
しかし、
しゃあぁっ、しゃあぁっ
の二重奏のせいでその言葉は非常に真実味を帯びてきました。
そして、さらにしばらく経って、
班長が最後の決断を下しました。
「テントを捨てて、脱出しよう」
最後の選択だったのですが、これしかありません。
テントから二百メートルぐらい離れたところに我等が隊長のテントがあったのです。
もう隊長しかこの事態を収拾できないとテントの中の全員が思いこみ、
脱出計画は実行されました。
「明かりをつけると獣は飛びかかってくる」
と言うことで真っ暗な中で準備を進めました。
靴が獣のいる方向に全て偏っていたため、
靴下を二重に履き、右手にナイフ、左手にチャッカマンを装備して
脱出しました。
真っ暗な夜道を半泣きでダッシュして、
隊長のテントに到着。
班長が事情を説明するとすぐに隊長は不機嫌な顔で出てきて、
ワシらのテントの周りを捜索してくれました。
が、そこには何もおらず、
隊長の放った一言でこの事件は終わりました。
「あぁ、獣おったんやったら、テントの周りにしょんべんまいて寝ろ」

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