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無人のはずなのに

2018/09/16

家族全員が日帰りでまる一日家を空けたことがあった。
当時小学生だった俺は興味本位で姉ちゃんと一緒にテープレコーダーを家の書斎と寝室に設置し、留守中録音していた。
夜遅く帰宅して翌日、学校から帰ってきたら姉ちゃんが血の気の引いた青ざめた顔をして玄関に突っ立ってた。
「これ・・ちょっとあんた聴いて見て・・」
俺が恐る恐る何か残ってたの?と聞いても姉ちゃんはその場に座り込んじまって、泣き出してしまった。
意を決して近所の公園で友達3人集めて、聞いてみることにした。
以下、録音されてた音声です。
寝室、録音開始。
しばらく無音。
16分23秒を回ったとき、突然誰かがフローリングの床をスリッパを履いて走り回っている音、何かが床に落ちた音。
カーテンを開けたり閉めたりする音が1分くらい続く。
水が排水口へ吸い込まれるようなコポコポ音。
まだ録音されてたけどこれ以上は聞く勇気なんて残ってなかった。
隣で聞いていた友達もみんな暫く何も言葉がでなかった。
テープをもはや1分たりとも長く持っていたくなかったんで、友達とその公園の砂場に埋めた。
問題の寝室(書斎のほうは何も録音されていなかったらしい)は祖父母の寝室でした。
本当に体験した実話です。
今でも当時の同級生と再会するとこの話をしません。
4人とも意識的にさけています。
姉とも暗黙の了解でこの出来事に関して一切口外しないことにしています。

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