本文の文字サイズ

自然のなかで生きてる

2019/06/09

もう10年以上前に死んだ祖父に聞いた話。
霧雨が音もなく降りしきる梅雨のある日、祖父は田んぼに出て作業してた。
今でも同じだけど、祖父の家は糞がつくほどの田舎にあり、周囲は田んぼだらけ。
隣の家まで100メートル以上は離れてるようなとこだ。
祖父がふと顔を上げると、向こうの○○さんの家のほうから誰か歩いてくる。
田んぼの中の畦道を黒い傘をさして、ゆっくりとこっちに向かって来る。
距離が縮まるにつれて、それが○○さんちのお父さんだってことがわかった。
祖父は作業の手を止めて
「○○さん、うちに何か用ですか?」
と声をかけた。
でも○○さんはその呼びかけに全く反応せず、真っ直ぐに前を見て歩き続ける。
もう一度声をかけてみるが、やはり反応はない。
不思議に思って見ていると、○○さんはそのままゆっくりと歩みを進め、
開けっぱなしになっていた裏口から祖父の家に入っていった。
少ししてから祖父は作業を中断し、家に戻ることにした。
裏口の敷居をまたぐと、すぐそこに青ざめた祖母がいた。
「○○さんが来ただろ。何か用事でもあったのか?」
「ついさっき電話があって、○○さんのお父さん、亡くなったって…」
ド田舎だからかどうかは知らないが、こういった話は何処にでも転がってるらしい。
怖いっつーか不思議だねっ!

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

人気作品

人気カテゴリ

RSS