俺の身近な話
2019/05/25
俺の身近な話。
まず母とじいさん(母の父)。
まずじいさんなんだが、
元気一杯でギャンブル大好きな元職人なんだが、
山登りがすきなんだ。
だけど山登りはしないの。
なんでかというと、
じいさんが山登ると誰か死ぬから。
血族に関わらずね。
イナカに住んでたころ山間だったから、
よく遭難者とか行方不明とかが出たらしい。
んで手伝いにいってたんだと。
必ず最初に見つけたそうな。
それのせいもあってか、
山登りから帰って死人がでると
「ああ、またおろしちまった」
というのよね。
だから大好きな山登りは、
最後に厨房の俺といったきり。
無論その時も知り合いの方が亡くなった。
んで、最近になって母から聞いたんだが、
じいさん終戦後暫くは炭坑で働いてたんだそうで。
発破使ってやるようなところは払いがよかったから、
家族にひもじい思いをさせまいと働いてたんだと。
その時もたくさん知り合いが亡くなったんだそうな。
でもじいさんだけはいつも免れたんだと。
語りたくない昔のことらしく、
じいさん自身は絶対言わないんだ。
じいさんの不思議はこんくらい。
次は母。
母は夢で人が出てくると、
近いうちにかならずその人が亡くなる。
だから異様に夢を見るのをいやがる。
さっきのじいさんの山登りと母の夢で、
通算18人だから
さすがに偶然にしてはフィーバーしすぎだと思う。
長くなったが俺とオヤヂの話。
オヤヂは幽霊の類とかを見ないんだが、
剣道馬鹿で、本気で修行の旅とかにでちゃうのもあってなのか、
昔から妙なところがある。
箸の上のほうで
ハエを叩き落したりというのは日常茶飯事。
そんなことより、
気配を察するから寝ていても近づくと起きるわ、
後ろから近づいても振りかえらず話しかけるわで、
じいさんと母よりアル意味コワイ。
そのオヤヂと10年くらい前、
田舎で日暮れごろ山の墓を横切ったとき、
オヤジが突然立ち止まって拍手を打った。
びびった俺はオヤジにしがみ付いて
「どうしたの?」
と聞いたら、
「物騒な目で見られてる気がした」
とか言いやがる。
拍手を打った瞬間消えたらしい。
オヤジ曰く、
「動物か人かわからんが逃げたんだろう」
といって平然としていた。
俺は超びびって泣いたけどな。
最後俺の話。
幽霊やらはみたことがない。
でも、いてもおかしくはないかなという気はする。
妙な経験は色々しているから全否定はできん、
というのが正確なところかもしれない。
まず、父方のじいさんの法事で去年田舎にいったとき、
不覚にも酔っぱらって、
使われてない母屋のじいさんの部屋で爆睡していた。
横にはオヤヂも寝ていた(オヤヂは酒を飲まない)。
ちょうどオヤジの足が俺の顔、
俺の足がおやじの顔の方で、
二人の間には2mくらい間があった。
足首掴まれたの。
ガッって。
んで起きた。
オヤジかと思ったんだが届くはずがない。
他に誰かきたのかと思ったが、
新居に全員いるしこちらにくる用事はない。
後で誰に聞いても誰も来てないという。
ふと、よくじいさんに
「腹をだして寝るな」
といわれたのを思い出してしまった(腹が丸だしだった)。