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神社に住んでた猫

2019/05/24

不思議な体験といっていいのかわからないが、
近所の神社に住んでた猫が少し変わってたな。
といっても見た目はわりに普通の猫で、
所謂トラ猫というヤツ。
でも、変わってたというか、
何か身体能力が並の猫じゃないカンジだった。
別に変ではないんだろうけど、
木の上を走り回ったり、
枝から枝に飛び移ったりまでしてて、
子供心に猫ってすげえんだなあって思ってた。
鳥居の上で寝てるのを見たという友人もいたし、
神社にいるから余計すごく見えたのかも。
それでその神社で遊んでたら、
一度なんかのすっげえ叫び声と、
ばさばさばさっていうでっかい音が聞こえてきたんだよ。
何だ何だ!って
友達と神社の周りの森に入っていったらさ、
例の猫が何か緑と赤の塊を咥えてんのな。
よく見たら、猫と同じくらいか
もっとでかいキジだった。
冬には友人が
「田んぼであの猫が白鳥と戦ってたぞ!」
って言うもんだから見に行ったら、
雪の中に白い羽と血がめちゃくちゃに飛び散ってて、
やっぱりあの猫が、ズルズルーって
山の方に立派な白鳥を引きずってくとこだった。
で、こっからが不思議体験なんだけど、
その神社には他にも結構な数の猫がいたんだよ。
神社だけじゃなくて
町内にも首輪をしてない猫が結構いた。
というのも、親の話だと、
ある家がつがいの猫を置いて引っ越したらしくて、
その猫がどんどん首輪無しとして増えてったらしい。
でもある日、スポ小から帰ってくるときに、
神社の猫がその例の猫を先頭にして
5、6匹くらい向こうから歩いてきたんだよな。
その時は
「猫ってこんなに集まって動くんだなあ」
なんて珍しく思った程度だったんだが、
次の日にあることに気づいてびっくりしたわ。
神社にも町内にも、
首輪なしの猫は一匹もいなくなってた。
ホントに親とか町内の大人も
みんな不思議がってたんだけど、
俺はあの猫が他の猫を引き連れて
どっかに移動してったのかな、なんて思った。
でも、今思い返せば
猫がそんなことすんのかなあ・・・とも思う。

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