悲しそうに泣く幽霊
2019/05/19
私が横浜にある総合病院に入院中に、
悲しそうに泣く幽霊の後姿を目撃した談。
深夜2時過ぎ頃だったと思う。
私はトイレにいきたくなって、
ひとりで静まりかえった廊下を歩いてたんですよ。
途中、ナースセンターを通過したら
看護婦さんがちょうどいなくて、
ほんと淋しい晩でした。
トイレの手前の部屋に洗面室があって、
そこから何やら男の人のすすり泣きと、
ジャブッジャブッという水音が聴こえたんですよ。
どうしたのかな?と、
ドアが開いた洗面室を覗き込んだら、
暗い流しに廊下の照明が射し込んだ状態で、
パジャマ姿の男の人が背中を向けた感じで顔を洗い、
時折
「くっくくっううーー」
とむせび泣いてました。
私は思わずその人に
「こんばんわ!電気つけますね」
と声をかけ、パチッとスイッチを入れた途端、
その男の人ね、消えちゃったんですよー。
もーあれは本当にぶったまげちゃった衝撃。
怖いとかよりも、
「今いた患者さん、何で消滅したのー?」
と、それしか考えられなかったです。
寝ぼけでも嘘でもない本当に不思議な出来事でしたね、
今もってあれだけは。
後日、他の古くからいる患者さんとかに聞いた話だと、
「たぶん癌とかで亡くなった患者だったんじゃないのー?」
と皆で噂していました。