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真夏の昼のネコ会議

2019/05/09

中学の頃、千葉の半島の先っぽにある田舎のおばあちゃんの家に、
夏休みなので一人で遊びに行きました。
行ったところで特に遊ぶものが無い田舎だったんで、
いつものように家の裏に流れている大きめの川に、
泳いでいるフナを眺めに散歩に出ました。
真っ直ぐに林道を突っ切って、
何十万回も通っている道を歩いていると、
「ギャアギャア」
聴こえるんですよ。
サカリがついたような大きなネコの声。
でも「ウヮーン」や、「ゥミャーン!」ではなく、
「ギャアギャア」と。
しかも、複数がハモってるんです。
声がする方向は近所の自家栽培している畑で、
平な林の中でそこだけ開けているんですよね。
で自分は、
『ネコがケンカしているんだろうな。
それにしては声の調子が違うし、
ズーッと途切れなく続くし、なんだろうな』
と思って、声のする開けた場所をのぞきこんだら・・・
!!!!!
こちらに背を向けた、完全な
『視力検査のCの形』
に約10匹の近所中のノラネコが並んで座っていて、
そのCの中に1匹入ってて、やはり一斉に
「ギャアギャア」口を開けて、互いの顔を見ながら喋っていたんです。
一歩足を踏み出してのぞきこんだ自分は、その完璧な形を見て、
『わージブリかよスゲー。
しかも口で会話してるじゃん、ネコってそんなことするんだ』
と思ってニコニコしていたら、
その中の1匹がコチラに気づいて黙ったんです。
そして一斉に、逃げずに座ったまま
首だけこっちに向けにらむ十数匹のネコ・・・
まるで自分が知らないクラスの授業中に間違って入っていって、
クラス中のおまえ誰?って視線を浴びて、立ち尽くしている感じがしました。
で嫌な気分になり、慌てて川に行くのを止めて家に引き返しました。
後日談があって、次の年に遊びに行ったら、1匹もノラネコがいません。
おばあちゃんに聞いたところ、
「増えすぎたから、毒ダンゴを近所の人がまいた」
「死体は1匹も見てない、誰も」
だそうです。
ネコが死ぬときにはどこかに潜り込むってのは本当だったんですね・・・

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