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真夜中のバー

2019/05/07

これは俺が小さい頃の記憶だ。
その日、お婆ちゃんの家に家族で遊びに行った帰りの事だった。
子供の時間感覚で凄く遅い時間で、真夜中だと記憶している。
親父の運転する自家用車で家路へ走っていってたんだけど、
親父も疲れてたんだろうか、
休憩しようって話を母として、母も賛成した。
それで車を走らせながら、どこにしようか、
あれでもないこれでもない、って話を親父と母がしていて、
偶然見つけたであろう、道の途中にあったバーのようなお店を見つけて、
そこに決めたんだ。
店内の様子は…普通のバーだ。
薄暗い店内に、カウンターがあって固定式の椅子。
映画やドラマに出てくる感じの、クラシックな店内だった。
客は、俺たち家族以外はいなかったと記憶している。
マスターらしき人は気さくな人で、
親父と母に何か楽しげに語りかけていた。
俺はミルクをもらった後に、
店内の入り口近くのちょっと広いスペースで、遊ばされていた。
それで、しばらくすると、お店で『何か』が起きたらしく、
マスターの様子が急におかしくなった。
マスターが動揺を隠せない感じで何か親とやりとりをし、
少しチラッと入り口と逆の方向(裏口?)を見た瞬間に、
また『何か』起きたらしい。
凄い形相と声で、
「早く逃げてください!!!!早く!!!」
って親に言い出したんだ。
親も『何か』が起きたのを把握した様子で、
親父は俺を小脇に抱えると、
物凄い勢いで店の外へ飛び出して、車に乗り込んで発車した。
車内で、俺は何が起きたかわからず呆然としていた。
そんななか、パニック状態になって親父に何事かわめいている母親に対して、
親父が母と目をあわせずに、青ざめた顔、震えた口調で、
「忘れろ!見たことは忘れろ!何もなかった!」
って言っていた。
俺としては、親父のあんな顔は初めてだし、すごく驚いた記憶がある。
お話としてはこれで終わり。
憶測になるけど、
地震・火事・天災・ヤーさん関連・猛獣
(地方都市っぽいからいないと思う)ではなかった。
親と喧嘩して家から出ているから、真相なんてわかんないし、
仮に『何か』が大変な事でも、親父と母のことだ、適当にはぐらかすだろう…
一生謎なままだ。
本当にわけのわからん話なうえに、長文でごめん。

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