五時に校門を閉める
2019/04/30
私のいた高校では、
五時のサイレンがなると共に、
用務員の人が急いで校門を閉める習慣がありました。
まだ下校のチャイムすらなってないのに
正門を閉めるんです。
生徒は裏口の狭い通用路のほうから
いつも帰らなきゃいけなくてとても不便でした。
どうしてこんなことしてるのか先生に聞いてみても答えはでず、
(学校の決まりとか言ってました)
部活の先輩に聞いてみたところ、言い伝えっていうか、
噂みたいなものを聞けました。
それは、この学校にはむかし自殺した生徒がいて、
自殺した場所は自分の家だったんだけど、
いじめにあってたらしく、
先生にもまともな対処をしてもらえなかったそうです。
それで、命日になると
その生徒が坂をあがって校門の前まで来るそうで、
中に入られたら復讐されるってことになって、
今では校門を閉めるようになったそうです。
僕らはいつも裏口から下校する世代だったので見てませんが、
その生徒は女生徒で、
乱れた長髪に凄い眼をして坂を上って来るそうです。
いかにも噂って感じだったけど、
毎日校門が閉められてる事実と、
返事につまる先生達が変だったので、
リアリティーがありました。
裏口でばったり会ったって生徒もいたから、
その辺を五時のサイレンと共にうろついてるのかなあと考えたら、
けっこう怖かったです。