夜行バス
2019/04/29
バスの運転手をしていて、
その日は東京から京都まで夜行便の運転だった。
運転手は2人で、途中で交代をする。
深夜の高速をひた走っていると、前方にバスを見つけた。
バスは一般道を走る路線バスタイプで、
高速を走る観光バスタイプではなかった。
おっ!路線タイプが走ってるなんて珍しい!と思って、
どこの会社だろうかと追い抜きざまにチラッと見ると、
5~6人だけ見えた顔は血だらけで、背筋が凍りつく。
そして前方の行き先幕をサイドミラーで見ると、
『夜見』となっていた。
とりあえず京都に着き、お客さんの荷物を降ろしていると、
「昨日メッチャ怖い夢見てん」
と、乗っていたお客さんが友達に話していた。
内容は、満員のバスで車内は
全員血だらけの乗客が乗っていた、というもの。
それ、夢じゃないんだよ、
と心の中で思いつつ荷物を渡していく。
そして、回送で車庫に行く途中、
仮眠をとっていただろうと思っていた相方も、
そのバスを見たと口を開いた。
お客さんが寝てる時間に喋ると迷惑だろうから
すぐには話せなかったと。
その後、そのバスは今のところ見ていない。