本文の文字サイズ

深夜の個室

2019/04/07

詳しくは書けないんだけど、
病棟って謂うのは患者さんの症状によって
部屋割りが決まっていたりするんだけど、
例えば目の離せない状態の患者さんは
ナースステーションの近くみたいな感じで。
冬になると多いんですけど
或る日スノボで骨折した若い男性の患者さんが
入って来たんです。
だいたいは6人部屋や8人部屋なんかへ入ってもらうんだけど、
たまたま空いてなくて個室へ入ってもらう事になったんです。
始めの内その若い患者さんは
得をしたみたいな感じで喜んでいたんです。
まだ陽のある内は。
深夜勤務でナースステーションで雑用捌いていると、
昼に入って来たその患者さんが訪ねてきたんです。
患者「すみませーん、あのー」
私「ハイ、どうされましたぁ」
患者「あのー、言いにくいんですけど」
私「ハイ?」
患者「病室なんですけどぉ」
私「病室?どうかされましたぁ」
患者「変えてもらいないですか?」
私「何かありましたぁ?」
患者「いやぁ、あのーぉ、つーか出たんですけど」
私「はぃ?」
患者「夜中に何か息苦しくて目が覚めたんですよ。
そしたら部屋の四隅に人が立ってるんですよぉ」
私「えっ?」
患者「気がついたら、その人達が自分のベッドの脇に立ってるんです」
私「(絶句)」
患者「それで、こう言うんですよ、
「此処は未だお前の来る場所ではない」って」
嫌だなぁと思いながらも仕方が無いし、
こういう事は初めてでもないので
私「取り合えずちょっと見て来ますから
ここ入って構わないので、
そこに掛けててもらえますか」
一応見には行くんですけど、
何時もと変わらない病室。
仕方が無いので
その日だけナースステーションのそばの
処置部屋にベッド移動しました。
その患者さんを始めに入れた部屋は
普段はそういう部屋として使っていたので、
上のような事を言われたのかなぁと思います。

にほんブログ村 2ちゃんねるブログ 2ちゃんねる(オカルト・怖い話)へ

よろしければ応援お願いシマス

人気作品

人気カテゴリ

RSS