死を仮想体験
2019/03/31
小学生の頃の話
小学生の頃、
5階建てのアパートに住んでいた
その頃よく夢を見た
自分が住んでいた3階のベランダから、
下の植え込みの雨水管の蓋めがけて落ちる夢
いつも蓋にぶつかる前に汗だくで目が覚めた
多いときは1週間に5回は見た
小学校低学年の頃はこの夢を見て大泣きしていたが、
高学年になると次第に
「またこの夢か」
という感じになっていた
高学年のある日も同じように、
ベランダから落ちる夢を見た
「またか」
素直に落ちる俺、
ここで目が覚めるんだろう・・・グシャ
目が覚めなかった衝突の瞬間、
自分の首が180度曲がり、
両の目は植え込みの向こうの桜の木を写していた
俺の血が流れ、
雨水管の蓋の間から中へと滴る
俺は死を感じた
次の瞬間目が覚めた
なぜか俺はベランダにいた
そこで柵の下を覗いていた
下には俺の死体があった
そこで気を失った
次の朝母から叩き起こされた
ベランダで寝ていたらしい
その日、学校に行く前に
下の植え込みに行って見た
上から見ることはあっても、
マジマジと見たことはなかった
植え込みの下には、
昨日夢の中で落ちたときに見た、
ビールの缶が転がっていた