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叫び声と祖父の異変

2019/03/11

今から5年くらい前かな…。
私の家は廊下(っていうか縁側?)に
小さい机と椅子が置いてるんですけど
普段めったにやらないくせに、
そこに教科書広げて勉強を始めたんです。
時間は確か夜の9時とか10時くらいだったと思う。
晴れてて良い感じの夜だったし、
カーテンは全開にしてました。
それでしばらく勉強してたら、
少し遠くの方から変な声が聞こえて来たんです。
女の人?がずーっと叫んでて…
何言ってるか分かんないくらいに叫びっぱなし。
はじめは
「誰か襲われてるんじゃ…」
って心配になりました。
…それにしては長すぎて不自然すぎだし、
「助けて」
とも
「やめて」
言わない。
本当に意味不明。
私はたまに変な声が聞こえたり
変な事が起こったりはするんですが、
あんなに長時間続いたのは初めてでした。
だいたいは怖さのあまり
自分に無理やり言い聞かせたりするので
その時は
「誰かが演劇の練習をしてるんだよね!」
って思い込もうとしてました。
でも全然やまないし、もう精神的に限界…。
すぐ近くにはお母さんがいたんですが、
おかしいくらいに無反応なんです。
二階のお兄ちゃんも、
こんな声が聞こえてるはずなら
不審がって顔を出すはずなのに出さない…。
(父と姉はすでに就寝してました)
皆には聞こえないのかと思うと
更にガクブルしました。
実際
「何も聞こえないよ」
とか言われるのが怖くて、
結局お母さんには聞けなかったです…。
1時間くらいか…数十分だったかもしれないけど、
しばらくしてその叫び声は止みました。
内心かなりホッとしました。
でもその声が収まってくると同時に、
今度は突き当たりのお祖父ちゃんの部屋から
呻き声が聞こえ始めたんです。
まぁ、ただうなされてただけかもしれないんですけどね。
でも女の人の叫び声で精神的に参ってたので、
かなりビビりました。
とにかく一気に自分の部屋にかけこんで
布団かぶって速攻で寝ました。
怖すぎてあんまり考えなくなかったから
「そういうこともあるよ!」
と思うようにしてすぐに記憶を追放。
次の日お祖父ちゃんは別に普通だった気がします。
それからまたしばらく経った後、
お祖父ちゃんが変な行動をとるようになりました。
脳の毛細血管に血が詰まる病気で、
痴呆のような症状が現れたんです。
私が知ったのはけっこう後でしたが…
お祖父ちゃんは
「庭に女がいる」
とか、
「○○(姉の名前)を待ってるんだ」
とか
「皆で○○(私の名前)の話をしてる」
とか言ってたそうで……。
私は女の人の叫び声を聞いたことをすっかり忘れていたのですが、
その話をお母さんから聞いた時に思い出して青くなりました。
お父さんとお母さんは念のために霊媒師を呼んで
家を見てもらったそうですが、
特に異常はなかったらしいです。
病状が進行すると私たち孫の前でも庭を指差して、
「ほら!待ってるだろ!!」
と大声で叫ぶようになりました。
お祖父ちゃんは既に2年前に亡くなっています。
私は怖いと言うよりも、
気丈なお祖父ちゃんが弱ってしまった事が凄く悲しかったです。
なので自分で書いておきながら何ですが、
あの時の叫び声をお祖父ちゃんに結びつけたくはないんですけどね…。

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