深夜の無言電話
2019/03/08
3月末のある晩、会社に一人残っていた。
年度末でなんとしても
終わらせなければならない仕事があったのだ。
必死になっている最中に突然電話が鳴った。
外線のようだ。
時計を見ると深夜1時。
こんな時間に誰?と不審に思いながら、
私「はい○○企画課です。どちらさまですか?」
相手「。」
返事がない。
しばらく受話器を持って耳を澄ましたが、
なにも聞こえない。
なんだよ、こんな時間に間違い電話かよ、
こっちは忙しいのに!
ムッとしてちょっと乱暴に受話器を置き、仕事を再開した。
しばらくして、
「ピロロロ、ピロロロ。」
又電話だ。
さっきの奴か?、いい加減にしろよな!
「ハイ、○○企画課ですが!」
少し声を荒げて言った。
相手「。」
まただんまりだ。私は頭にきて、
「間違えたのなら一言あやまっても良いんじゃないですか!
無言なんてたちが悪いですよ!!」
と言ってガチャッと受話器を叩きつけた。
朝方ようやく仕事が終わり、
家に帰ると電話の留守録ランプが点滅している。
私は留守録再生ボタンを押した。
「午前1時10分、一件のメッセージがあります」
「すみません、すみません、すみません、すみません・・・」
弱々しい女の声で延々と謝る声が録音されていた。