夏服の少女
2019/03/04
前回のお話:降霊会
女子高に在籍時には、
色々な怪奇現象にみまわれたんですが、
その中でも私的に一番怖かった話を…
或る冬の日、
隣のクラスと合同で音楽の授業を、
授業を受けてました。
クラッシック音楽を聴き、
その後感想文を書くと云う退屈極まりない時間。
ふと横を見ると、
何席か離れたトコロに
見慣れないコが…
『隣のクラスのコも大体把握してた筈だったんだけどな~』
その時は、その位にしか思ってませんでした。
退屈な授業が終わり、
もう一度、その席を見ると、
そのコの姿は既に無く、
私はもの凄い見落としをしていた事に気付いたんです。
『あのコ……夏服だった……』
暫く、寒気が抜けませんでした。
しかし、これは恐怖の始まりでしかなかったんです。
その日の晩、私は、
自室の雨戸を叩く大きな音で目が覚めました。
ガンガンガンガンガンガンガン!!!!!!
私の家は、当時平屋で決して広いとは言えないモノでした。
しかし、誰一人起きて来ないのです。
その音はどんどん大きくなっていくと云うのに……
そして雨戸を叩く音が止んだ、その時…
ヌゥ~と雨戸も窓も通り抜け、
巨大な顔が現れたのです。
そう、大会議室で見た、あのコ……
しかし、ポッカリと穴が開いた様に、
顔の部分だけ真っ黒で何も見えないのです。
そういえば、私は彼女の顔を見た覚えが無かった!!
声を出そうにも、恐怖の余り何も発する事が出来ない!
巨大な顔との睨めっこは、朝方迄続きました。
朝になると、巨大な顔は消えました。
私は、家族に何であんなに大きな音がしたのに、
誰も来てくれなかったの!と訴えました…が、
家族は誰もそんな音は聞いていないと云うのです。
私は一睡もしないまま、学校へ行きました。
勿論、憑き物落としの親友(Aちゃんとします)に
助けを求める為でした。
Aちゃんは、まず部屋の四隅に盛塩をして、
御神酒をあげて。
とアドバイスをしてくれました。
部屋が汚れるから、半紙でもティッシュでも良いから、
それで塩を包んで輪ゴムで止めれば大丈夫だからと。
お札を書くのに、何日か掛かるから、
その間、そうしていれば、
部屋に入ってこれないからと。
Aちゃんは学校が終わると、
すぐに家に帰って御堂にこもり、
3日程で木製の札を仕上げてくれました。
「しばらくの間、肌身離さずにしていれば、他の場所に移るから…」
彼女が言った通り、それからは、
そういう出来事は無くなりましたが、
今思い出してもゾッとする出来事でした。
あの彼女は私に何をして欲しかったんでしょう。
未だに謎です。