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ドアを叩かれる

2019/02/19

中学2年の時の話。
俺、自室に鍵があるんだけど、
以前に部屋の鍵をかけたまま昼寝して、
台所でボヤがあったとき気付かず逃げ遅れた。
俺は一度寝たら、なかなか起きない。
毎朝二度寝は当たり前。
学校には遅刻ぎりぎりで行ってた。
そんな俺は、
親にドアの向こうから怒鳴られ、
ドアをガンガン叩かれ、ようやく起きた。
起きてみてびびったよ、
部屋が煙だらけ。
まあ、台所のコンロの近くの物が燃えたり、
タイルが焦げたりする程度で済んだけど。
だから、親には
「お前はなかなか起きないから、
寝るときは鍵かけるな。死ぬぞ」
って言われた。
でも、俺は鍵かけるのが癖になっていたから、
親の忠告を忘れてそれからも鍵をかけて寝てた。
その度に、親に注意されてたけど。
それからしばらく経った、
ある夜(GWの前日)。
俺は自室がある2階へ上がり、
いつも通り鍵をかけ、テレビを点ける。
しかし疲れがピークだったためか、
テレビを点けたまま寝てしまった。
最後に時計を見た時間は21時ちょっと前。
夜中、ドアをガンガン!と叩く音で目が覚めた。
この俺が起きるんだから、
ものすごい音。
ドア外れんじゃねぇかってくらい。
ドアを見たら揺れてる。
俺は
「んだよ、また親父か母さんか」
って無視した
(以前も鍵をかけたまま寝て、
ドアを叩かれて起こされたことがある)。
こっちは睡眠不足で眠いんだよ!
って俺はキレた。
勿論、無視。
いつもなら、無視する俺に諦める両親が、
今日はやけにしつこい。
しかも、ドア叩く音がうっさいのなんの。
いつもの倍。
時計をちらっと見ると5時。
点けっぱなしのテレビでは朝のニュース。
未明に殺人事件があったらしい。
被害者の名前が聞こえる…
犯人はまだ捕まっていないらしい。
「朝っぱらから親もよくやるよ。
てか俺は睡眠不足なんだよ」
と、俺はぶちキレて
「うっせえんだよ!」
と怒鳴った。
しかし音は止まない。
「眠いから無理!」
と俺が本気で怒鳴ると、音が止んだ。
即効爆睡。
翌日。GW。
俺は休日はいつも昼頃に起きる。
居間でテレビを見ている両親に
「昨日ドア叩いたでしょ?
ドア壊れるかと思った」
と言った。
「昨日の夜、あんたが2階上がってすぐに、
おばあちゃんの具合が急に悪くなったって電話あったから、
病院行ってた。
帰ってきたの10時頃」
と眠そうな母さん。
「俺も」
と大あくびの親父。
俺が2階上がってすぐだから…
21時30分にはもう家を出ているわけだ。
つまり、ドアを叩かれた時間帯は、
家に俺しかいなかった。
じゃあ、ドアをあんなにめちゃくちゃに叩いたのは誰だ?
俺には兄弟姉妹なんかいないし…
泥棒かと思い、両親に
「部屋とかなんか変わった様子ない?
物の配置が違ったり、荒らされたりとか」
に聞いてみるが、答えはNOだった。
「寝ぼけてたんだ。それか夢だな」
と思っていたら、
テレビで殺人事件のニュースが。
俺がドアを叩かれて起きた時、
点けっぱなしのテレビから聞こえた
殺人事件のニュースと同じ内容
(被害者の名前が同じ・犯人捕まっていない)だった。
その日の夜、びくびくしながら寝た。
怖がりで小心者だから、
電気とテレビを点けっぱなしで寝た。
ドアは叩かれなかった。
それからは鍵をかけなくなり、
注意されることもなくなった。
また、ドアをガンガン叩かれた事は
あれからもうない。
そん時はめっちゃ怖かった。
叩かれてるとき、
両親が家いないという事を知ってたら、
失神か失禁してたと思う。
ちなみに両親は、
未だに俺が寝ぼけていたと思っている。

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