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隣のボケ婆さん

2019/01/21

俺が小学三年の時の話。
隣の家にボケた、お婆さんが住んでたんだ。
どのくらいボケてるかというと、うちの家の台所でご飯作ってたり、
座敷に布団ひいて寝ていたり。
田舎だから裏戸はいつも開けている。
それから、しばらくして婆さんは入院したんだが・・
夏休み、いつも楽しみにしていた
「おもいっきりテレビ」の怪奇特集を
その日もドアやカーテンを閉めきり布団を被ってみていた。
俺は一階の裏戸の近くの居間で観ていたんだが
なんか誰か外歩いてるんだよ。
ジャリの音するからね。
すぐ分かる。
俺の家にも婆ちゃん居てちなみに隣の婆さんとも仲良かったから
よく来てたってのも、あったんだが
うちの婆ちゃんも、ちなみに入院中だし、その時家族、皆出掛けていて
家は俺ひとり・・
誰かが裏戸開けようとしてんだよ
鍵閉めててよかった!!(笑)
んで、裏戸が開かないとわかると、
俺の家のまわりをグルグルグルまわりだしたんだ!
庭にはジャリが敷き詰めてあるから音でわかるし
何しろ、障子やカーテン越しに影がみえる。
どこも開いてないと分かると
今度は居間の窓をバンバンて叩きだして
「う~う~」
「中山しゃ~ん・・中山しゃ~ん・・」
とか叫んでいた。
声を聞いて、ますます恐くなった隣の婆さんの声だ!
俺は息をひそめ、端っこの方で震えていた。
(ちなみに俺の家の名字が中山〔仮名〕)
けっこう長い時間、婆さんは
歩き回り、何かブツブツいいながら、
そのうち居なくなった。
一週間後、隣の婆さんは死んだ。
その後も何年も道端で、その婆さんにあってたよ。
成仏できてないんかな。
ボケたまま死ぬと、死んだ事に気付かないのかね。

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