そのまま寝てな
2019/01/17
高校生の頃の冬の日の話。
電車通学で始点駅で乗って終点駅で降りる、
この間一時間ぐらい。
普段は本とか読んで過ごしてたけど、
その日はどうしようもなく眠くて寝たんだ。
ガッツリ寝てたみたいで、
ふと目が覚めたら横の人に思いっきりもたれ掛かってた。
「すみません」
って慌てて起きようとしたら、
「いいよ、学生さん疲れてるんでしょう。そのまま寝てな」
って、おばあちゃんが優しく言ってくれた。
超優しいよおばあちゃんって思いながらそのまま寝た。
次に目が覚めた時は、
知らんおばさんが思いっきり肩揺さぶってた。
寝ぼけてるせいで反応が悪かったのかもしれないけど、
尋常じゃないほど揺さぶられた。
おばさんは私が起きたことに気付いたのか、
ほっとしたような顔して
「こんな所で寝てたら死ぬよ?気をつけなさいね?」
って言ってきた。
いや、電車の中で寝たぐらいでは死なないよって思ったら、
無人駅のホームの長椅子に座ってた。
雪は積もってるし知らない駅だし、
冷え過ぎて体は動かないしで怖かった。
隣の県の駅にいたみたいで、四時間近くかけて帰宅。
お小遣いはたいてやっと家に帰ったはいいけど、
「起きたら隣の県の駅で寝てたの」
なんて話が親に通じるわけがなくて、
話は信じてもらえないし怒られるしお金なくなるしで辛かった。