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真っ黒な姿

2019/01/08

それは、私が結婚して3年目の夏の日の事でした。
今も住んでいるこのアパートは、
作りが昔のアパートで、
道路沿いに大きい窓がある部屋です。
もちろん、カーテンも窓も外から丸見えになるので、
開け放すということはできません。
当時、私達はその窓を頭の方にして寝ていました。
その日、疲れているにもかかわらず
なかなか寝付けずにいました。
寝苦しいというか、目が冴えるというか。
夜中の2時頃だったでしょうか。
はっきりした時間は、
その時は判らなかったのですが。
寝てる私の頬を風が流れている感じがしました。
え?っと思って、窓を見たのですが、
特に変わった事は起きていません。
気のせいかと思って、寝ようとしていたとき、
頭の方で何かが動く感じがしました。
また、窓を見ると外を走っている車のライトが、
窓を照らしていたので、
ああ、このせいで・・と思って、
また、寝ようと頑張っていました。
少したった頃、
また風が流れたような気がしました。
どうせ気のせいだと思って、
目を閉じていたのですが、
やっぱり流れている気がする。
ぱっと、窓を見ると、カーテンの端っこから、
手が出て、カーテンを少しめくるところでした。
驚いて、凝視していると、カーテンの端から
真っ黒な顔がにゅっと出てきました。
驚いて、悲鳴を上げるとその顔はぱっと消えました。
私の声に驚いて、隣に寝ていた主人が起きだし、
何事かと尋ねてきたので、事のあらましを語り、
カーテンをめくってみましたが、窓は閉まったままでした。
あれは、何だったのか判りません。
一応、警察には連絡し
パトロールを強化してもらうという事になりましたが・・・
警察では、どうにもならないもののような気がします。
今でも、あの真っ黒な姿は目に焼きついています。

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