にゃ~ん
2019/01/05
午前一時だかそこらの時に
部屋でダラダラゴロゴロしてたんですよ。
俺の部屋ってのは一階で、
窓の外がすぐ庭に面してるんです。
で、その日もまあ
ネットやってたりしてたんですね。
したら庭に面してる方の窓の向こうから
足音みたいなのが聞こえたんですよ。
カーテン閉めてたから庭は見えなかったけど聞こえたんです。
それで
「こんな時間に客か?」
とか思ってたんだけど、どうもそうじゃないみたいで。
足音は庭を横切って玄関に行く、
とかじゃなくて俺の部屋の窓の前で止まったんですよ。
あからさまにピタッて。
そこでようやく気付いたんですよ。
「あれっこれもしかしてヤベェんじゃあないのか?」
とか。
で、真っ先に思い付いたのが
「強盗か?」
とかで。
木刀とか持ってないから、
ていうか動いたらなんか窓ブチ割って来そうな予感がして
しばらく座ったまま動かず警戒してたんです。
そしたら窓の向こうにいる(と思われる)強盗(と思われる)奴のものらしい声が
聞こえたんですよ。
「にゃ~ん」
て。
それはもう発情期の猫とか
そんなん超越した感じのあからさまなオッサン声。
ヤベェと思った。
今自分が置かれてる状況もヤベェけど
いきなり人んちの庭に入り込んで
人の部屋の前に立ってにゃ~んとかホザく
オッサンの精神状態の方がヤベェと思った。
それでヤベェヤベェと思いながらも動けずにいたんです。
ポリスメンに連絡すりゃあいいのに。
マジで恐怖に晒されると動けなくなるって本当だなと思った。
んでそのまま何10分かカーテンと窓を隔てて睨み合ってたんです。
実際はそんな長くなかったかも知れないけど。
そしたら窓の向こうが急に静かになった気がして。
もしかして帰ったか、
と思いそっとカーテン開けてみたんです。
やっぱいなかった。
なんかアレな文だけど恐かったですよ