見回り
2018/12/13
当時、高校生の友人体験談。
仮にAとします。
ある日、Aは課題を終わらすため
夜遅くまで学校に残っていた。
許可は取っていない。
警備員が巡回するので見つかれば追い出されてしまう。
見つからないように部屋の電気は最小限にしていた。
念のために内側から鍵も閉めておく。
しばらくして、
そう遠くなさそうなところから音がする。
廊下からか他の部屋からかは分からない。
Aは警備員が来たと思い、
電気を消し、隅の物陰に隠れた。
足音が聞こえる。
やはり警備員が来たのだ。
こちらに近づいてくる。
自分がいる部屋のドアが開いた。
「おい、こんな時間に学校にいたら駄目だろう。
早く帰りなさい。」
真っ暗な部屋に男の声が響く。
・・・見つかってしまったか。
声の主は電気も点けずに
そのまま部屋を出て行った。
居るのが分かったなら
電気ぐらい点けてくれてもいいだろうに。
見つかったからには仕方がない。
今日は帰るとしよう。
電気をつけ、荷物をまとめるとドアに手をかけた。
ここで妙なことに気付く。
・・・鍵がかかっている。
Aはここで更に気付いてしまった。
この部屋のドアは 内 側 か ら しか鍵はかけられない。
外側には鍵穴さえない。
では先程の男はどうやって鍵を開けて中に入り、
鍵をかけて出て行ったんだ?
それに真っ暗な部屋で物陰に隠れていたのに
どうしていることが分かった?
電気の消し忘れと言うこともあるだろうに。
いや、そもそも先程のアレは警備員か?
ではさっきのはダレだ?
Aは全力で逃げるように家に帰った。
以上です。
結局その男の正体は分からずじまい。
その高校には他にもいろいろあるそうです。