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ピンポ~ン

2018/11/07

ある蒸し暑い夏の夕暮れ時、
私は2階で昼寝をしていた。
すると
「ピンポ~ン、ピンポ~ン」
誰か来たようだ。
私以外家には誰もいないし
面倒くさいので無視して寝ていた。
「ピンポ~ン、ピンポ~ン」
「ピンポ~ン、ピンポ~ン」
「ピンポ~ン、ピンポ~ン」
「ピンポ~ン、ピンポ~ン」
それから、しばらく一定のリズムをつけつつ、
なり続けるチャイム。
なんだよ、しつこいなあ。
一体誰が来たんだ?
2階の私の部屋から玄関をそっと見ると、
白っぽい服を着た女の人が小さな女の子を連れて
チャイムをず~と押している。
宗教の勧誘か何かか、
全くもうしょうがないなあとりあえず出て断るかと思い、
下に下りて玄関を開けると誰もいない。
なんだよ、もう行ったのか。
せっかく出てやったのに。
もう1回寝ようと再び2階の自分の部屋で横になった。
すると、
「ピンポ~ン、ピンポ~ン」
また鳴った。
窓から見ると、またあの親子だ。
なんなんだ一体!
私はもう完全に頭にきてしまい、
半分キレぎみで下へ駆け下りた。
その間もず~と一定のリズムで鳴り続けるチャイム。
玄関のドアをバ―ンと開けて、怒鳴りつけようとして・・・・
誰もいない。
開ける直前まで確かに鳴っていたのに。
隠れる場所なんてどこにもないし、
どんなに足が速くても
一本道の突き当たりにある家から見えなくなるはずがない。
しばらくポカ~ンとその場で立っていると・・・
「ピンポ~ン、ピンポ~ン」
目の前のインターホンに誰もいないのにチャイムが鳴り響いた・・・
私はダッシュで家に入り、
家中の窓のカーテンをして鍵を閉め、
布団に入って震えつづけた。
それからしばらくチャイムは鳴り続けた。
もう1回窓から玄関を見下ろすことはどうしても出来なかった。

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