水を置かなきゃ
2018/11/06
今の住所(中古マンション)には
彼是10年以上住んでいるが、色々あった。
入居して間もなくの頃のこと。
絵を描くのが趣味で、
仕事が休みの日や平日の夜に水彩画を描いていた。
小学校の頃から使っていた筆洗は捨ててしまったので、
プリンやヨーグルトの空容器数個を筆洗にしていた。
ある朝、起きたらベランダに出るガラス戸の前に
水の入ったプリンの容器が置いたままになっていた。
その前の晩、空容器を3個用意して絵を描いて、
2個だけ使って1個は手付かずだったので、
単純に仕舞い忘れだと思った。
それを片付けて出勤。
夜、帰ると何故か
「ベランダの鉢植えには
カルキを抜いた水を遣らにゃなんねぇ」
と思った。
普段は水道水をそのまま遣ってるのに。
「いや、こんな所に水置いたら
ひっくり返してこぼすだろうw」
と思い、置いちゃダメだと思うのに、
どうしても「そこ」に置かなければならない気もした。
結局、「水を置かなきゃ」に負けたように、
ベランダに出るガラス戸の前に
水を入れたヨーグルトの容器を置いた。
筆洗の置き忘れと、
夜、葛藤しつつもベランダの前に水を置く事が1週間続いた。
8日目の夜、
「水を置こう」と思わなくなった。
何で「そこ」に
水を置かなきゃいけないと思ったのかは、
今でもわからない。
ベランダに出るガラス戸は、
この部屋の唯一の窓でもある。
もしかすると、見えない誰かが水を求めていて、
1週間で満足してくれたのかもしれない。
霊感がないので何もわからんが、そんな気がした。