ネット上に存在する不思議で怖い話を
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集合写真

2018/11/04

すべて匿名ですが、
物語風に編集した事実です。
「これ、まずいよ。」
そう言ったのは、
卒業アルバム担当の川島先生だった。
彼が机に置いた写真、
それは3年C組の、アルバム用の集合写真。
他の先生が集まってくる。
「やだ!何これ。」
C組担当の荻田先生が、
驚いて口元に手をやる。
写真は、校庭で撮ったもの。
真ん中に先生、
それを取り囲むように生徒達、
一見変わった様子は無いが、
その背景、右上に、
はっきりと男の顔が浮かんでいた。
筋金入りの心霊写真である。
「どうしますか?先生」
川島が荻田に聞いた。
普通なら、撮り直すのが当然かも知れなかったが、
すでに三学期後半。
付属高校という事もあり、
生徒はほとんど登校して来ない。
次の登校日まで待っていたら、
アルバムの制作の方が間に合わなくなる可能性がある。
とはいえ、こんなにはっきり写っている写真をアルバムに載せたら、
生徒達も何を言うか分からない。
この時代、
今のようなデジタル処理などほとんど無く、
不自然さが無い修正は厳しかった。
悩んでいる所に、
過去何度かアルバム制作に携わった八代先生が助言を出した。
「当日休んだ生徒がいるでしょ。
その生徒の囲みを、そこに入れたらどうですか?」
結局この意見が採用された。
「しかし、この顔、2年前に自殺した、
加藤君に似てるね。」
八代は、
写真を見ながら、ぼそっとつぶやいた。
加藤君とは、
2年前の夏休みに田舎で首を吊って
自殺した生徒であった。
原因は不明。
一説には、いじめがあったと言われているが、
はっきりした裏は取れていない。
その時の担任も、荻田であった。
「え、嫌ですよ先生、そんな、違いますよきっと。」
荻田はそう言って、
ハンカチで汗をぬぐった。
こうして心霊写真は隠蔽され、
無事アルバムは完成した。
それから5年後。
C組の同窓会が開かれた。
しかし43人全員出席とはならなかった。
卒業して一年目に、
二人の生徒が事故に遭って死亡していたのである。
その二人は、アルバムで、
囲みとして写真を隠す役を務めた二人だった。

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