安い物件には曰くがある
2022/02/13
もう一年経ったのでそろそろ話してもいいかと思い書きます。
今から2年前、大阪の某所に引越してきました。都心に近いのに安く借りられたのです。大概、安いと何か曰くはありますよね?ですが心霊現象なんて物は信じていませんでしたから、どうでもいいと思い借りた訳です。
引越しして、数ヶ月経った時から毎晩、同じ時間に外から
奇妙な金属をこする音が聞こえて来ました。
ジャララー、ジャララー
毎晩です、窓を開けて外を確認しても誰もいないし、お店もない。まあ、いい。そう思い過ごしていたのです。
そのまま数ヶ月、寝苦しい秋でした。うとうとしながら外からの金属音を聞いていました。
まただ・・・。そう思いながら、聞いていたのですがおかしな事に金属音が段々近付いているのです。
ジャララー、ジャララー
ちょっと怖くなりました。けれど金属音が止まったので安心して寝直そうと思い寝返りを打ちました。
その瞬間、声の出ない恐怖でした。人間、本当に怖いと「キャー」とか出ないものなんですね。
寝返りを打った布団の隣には髪の長い女性が横たわっていました。顔は髪の毛が邪魔で見えませんでした。
恥ずかしながら、そのまま失神していました。目が覚めたら病院のベッドでした。
傍にいた看護士さんに事情を聞いた所たまたま部屋に泊まりに来た恋人が泡を吹いて倒れていた私を発見して呼んでも目が覚めないので救急車を呼んだと言う事でした。2日も眠り続けていたようです。
原因は不明でした。取り敢えず「疲れていたのでしょう」と 納得の行くような行かないような診断です。
ただ、変だなと思ったのが「何処も怪我していない?」と 皆がしきりに聞いた事。怪我などしていなかったし痛みもありませんでした。
1週間の入院で退院して家に帰ったのですが家に入ってすぐ外に飛び出しました。何故か壁一面に血?のような赤茶の染みがあったからです。
どうして「怪我はしていないか?」と聞かれたのか合点が行きました。救急隊員はこの血の染みを見て疑問に思ったのでしょう。
さすがに強気でいられなくなり、すぐさま引越ししました。今の家からすぐ傍にあのマンションはまだありますが借り手はまだ見付かっていません。
家賃を見た所、さらに安くなっていました。