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死の連鎖メール

2018/10/15

モノクロ液晶の携帯もまだまだ多かった頃の話です。
友人の携帯に、私のメールアドレスで不思議なメールが届いたそうです。
《道に迷ってしまいましたので、助けて下さい。》
ところが、いくら返信しても、エラーで戻ってくる。
電話を直接かけても、繋がらない。
心配になった頃に、ちょうどタイミング良く私からのメールが友人に届き、それをきっかけにメールも電話も繋がるようになったそうです。
「不思議な事もあるもんだね」
その時は、それで話は終わりました。
誰かのいたずらかとも思ったし。
それから数日後、また友人に不審なメールが届きました。
《どうして?助けてくれないの?》
またもや、私のメールアドレスだったそうです。
前回と同じように、またもやメールも電話も通じません。
友人は仕方なくなって、私の別の友人を通して連絡をしてきました。
私には、もちろん送った覚えが無く、気持ち悪かったのでその日を機会にメールアドレスを変えました。
それから、不審なメールは無くなりました。
ところが、話はまだ終わりませんでした。
何ヶ月かした頃。
友人に、再び不審なメールが…
またもや、私からのメールアドレスで
《いつもの場所で》
その一言だけが、入っていたそうです。
前の不審な出来事から、時間も経っていたしメールアドレスも変更していたので、友人は余り疑わなかったようです。
メールを返す事なく、電話をかけたようですがいつもの場所 と予想がつく場所は、時々電波の入りが悪く(当時はまだまだ電波の入りが悪い場所が多かった)私が先に行っていると思ったらしく、車をだしたようです。
結局、友人とはそれ以来会っていません。
友人は、その日、車を走らせてる時に事故で亡くなりました。
呼び出された場所に、向かう途中の出来事です。
後日、友人の母親から連絡が来ました。
最後のメールが私からのメールだったらしく、現場から回収された物を確認している時に、それに気が付いたそうです。
そして、私のメールアドレスで送られた最後のメールの文面は…
《ありがとう。待ってたよ》
この話は、ここで終わりません。
それから半年ほど経った頃です。
私には付き合ってる人がいました。
その人にも、友人と同じようなメールが届いたのです。
《道に迷ってしまいましたので、助けて下さい。》
友人の時と同じように、メールも電話も通じなくなったそうです。
幸い、恋人と家が近かったので、直接会いに来ました。
そして、その一件はいたずらだろうと、恋人とは話しました。
心の中では、友人との出来事が思い浮かびましたが話して怖がらせるのも嫌だと思ったし、その時は
「まさか…」
って気持ちもあったので…。
ですが、やはり終わりませんでした。
《どうして?助けてくれないの?》
次のメールが来てしまいました。
もう、戻れないって気持ちで、もの凄い恐怖です。
恋人に、もし同じようなメールが届いても、連絡が取れるまでは会いに来ないように伝えました。
そして、恋人にも最後のメール
《いつもの場所で》
この時、メールで連絡が取れなくて、電話も繋がらなかったので友人経由で連絡しようとしたみたいです。
悲しい事に、その当時は、メールの遅延が度々ありました。
友人からの連絡が入る前に、恋人は出かけてしまっていたのです。
友人からの2時間遅れの連絡を受け、電話をしましたが繋がらず直接会いに行きましたが、留守でした。
そして…眠れない夜を過ごした翌日。
最悪の事態は起こっていました。
恋人は、下り坂をブレーキもかけずに走ったらしく緩やかなカーブのガードレールを突き破り、帰らぬ人となりました。
過去の事があり、気になったので後日落ち着いてから、ご両親に頼んで遺留品の中に携帯が残っていないか聞いてみたところ、残っているとの事だったので見せてもらいました。
《急いで来てくれる?》
これが、私に友人からメールが届かなかった(遅延していた)間に恋人に届いていたメールです。
そして、最後に受信したメールは…
《ありがとう。待ってたよ》
私のメールアドレスで、届いていました。
何が原因か分かりません。
その後も、私の友人に不審なメールが届く事がありました。
私は怖くなり、携帯を買い換えました。
もちろん、キャリアーも変えました。
その後も、友人(前の携帯のアドレス帳に入っている人)に不審なメールが届く事があったそうです。
使われていないはずの、私のメールアドレスから…。
私は携帯を買い換えたので、友人には昔のメールアドレスは無視するか拒否するように伝えてあります。
同じ事が二度と繰り返されないように、今は祈るばかりです。

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