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ちょっと変わった友人宅

2018/09/03

高校時代、友人Wの家に遊びに行った。
休み時間や放課後にWが
「我が家は幽霊屋敷だから、肝の据わってない奴は来んほうがええよ、本当に」
とちょくちょく言っていたので、半信半疑で泊まらせてもらった。
見た目は、団地にあるごく普通の一軒家。
少し違うことといえば、家までの道のりに集団墓地があること。
そして、彼女の部屋(2階)から、そこが丸見えなこと。
W曰く、1階に人が居て、2階に人がいなければ2階で騒ぎ、2階に人がいて(例、睡眠時など)、1階に誰もいないときに1階で彼らは騒ぐのだという。
1階と2階に人が分散していれば……?
階段や廊下が騒がしくなるらしい。
夕方、彼女の部屋でゲームをしているとき、それは起こった。
たんたんたんたんっ
誰かが階段を駆け上るような音。
「弟くんが帰ってきたん?」
「いんや。例の奴じゃろー。弟は今日友人宅に遊びにいっとるはずじゃけ」
扉を開け、確認をしてみると。
電気は消されたまんまで確かに誰もいなかった。
もちろん、弟くんは帰っていなかった。
不思議に思いつつも、お風呂がわいたということで一階に移動して入浴。
からすの行水である私が先にお風呂を借りて、友人は1階のリビングでクイズ番組を家族と一緒に観賞。
きゃはははっ ざわざわ あははははっ
ぽかぽかと湯船でくつろいでいるとき、確かに2階で
「若い女性(大学生か20代前半ぐらい)の声」
がした。
あわてて飛び出て、友人に確認した。
「……今、誰も2階にいないよね?」
「おらんけど?」
「この辺り、若い女性っている?」
「隣はおっちゃんだし、裏と左隣は見てのとおり、山だし。前は荒地だし」
……背筋が凍った。
もしかしたら友人Wにかつがれたのかもしれない。
けど、やっぱりあの家は霊の通り道なのだろうかと思う今日このごろ。

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