同情
2018/08/09
人気の無い夕暮れの公園に一人でいると、ボロボロの真っ赤なドレスを着たおばあさん(高木という苗字らしい)がやってきて、
「私の家族は居眠り運転をしていた大型トラックに轢かれて死にました・・・」
と話し出します。
気味が悪くなって逃げようとしても、足が動かなくなってしまい、話を聞くしかなくなってしまいます。
「私の息子はとても良い子でねぇ。家族の事をいつも思いやる、とても優しい子でした・・でもね、神様なんていないんですよ・・・。あんなに良い子だったのにトラックに轢かれて、右手をもがれて死にました。あなた、かわいそうだと思いますか?」
そう聞かれてかわいそうじゃないなんていう人、いませんよね?
仮にそう思っていなくてもその老婆の気味悪さと不思議な雰囲気で
「かわいそうですね」
と言ってしまうそうです。
すると、
「そうですか・・。こんなババァの話を聞いてくれた上に、同情までしてもらって・・・ありがたいことです。それではもう少し聞いてください。私の嫁はとても良い人でねぇ。よく気が付いて、
私の世話も喜んでやってくれるような人だったんですよ・・・しかし、トラックに轢かれて両足を失って死にました。かわいそうだと思いますか?二人いた孫も、1人は頭を、もう1人は内臓を潰されて死にました。かわいそうだと思いますか?」
と言います。
こちらは「かわいそうだ」という以外できなくなってしまいます。
「そうですか・・こんな小汚いババァに同情してくれてありがとうございます。あなた、私の息子や嫁、孫たちがかわいそうだと言ってくれましたね?もし本当にそう思っているのなら、あなたの腕を下さいな・・」
そこまで聞くと足が動くようになるので急いで逃げると、すぐに逃げ切れるのですがいつのまにか背後にいるそうです。
そして、
「かわいそうだと思うなら、あなたの両足下さいな・・・あなたの頭を下さいな・・・あなたの内臓を下さいな・・・」
そう言っていつまでも追いかけてくるそうです。
この話を知ってしまったら、1週間以内に、この話を聞いたことが無い10人の人にこの話をしないと、おばあさんが現れて、腕や両足、内臓、頭を取られてしまうそうです。
ちなみに、取られた腕などは、事故で死んだ家族の墓の前に供えてあるそうです。