ネット上に存在する不思議で怖い話を
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お札の家

2018/07/07

広島県F市にある『お札の家』と呼ばれる心霊スポットに行ってきました。
メンバーは僕と友人2人と友人のバイト先の先輩の4人で、友人の一人(Aとします)は霊感があります。
今日の0時に友人のバイト先で待ち合わせて、先輩の車でお札の家に向かって出発しました。
その道中、また別のスポットで『赤い橋』という場所があり、そこはお札の家の近くなんですが、そこを通り過ぎたあとに、霊感のある友人Aの携帯電話が一度鳴りました。
そしてお札の家への山道の入口につき、見るとそこに供養のための地蔵が親子分1対ありました。
僕はなんというか、無知だったので、それを神様か何かかと思ってそれに向かって十字を切って、携帯電話で写真を撮ろうとしました。
その時先に進んでいた友人Bに
「やめろ!」
と言われて写真こそ撮らなかったんですが、そこから少しずつおかしな事が起こりはじめました。
地蔵から山道を20mほど下るとフェンスや鎖で道が塞がれている所に出ました。
そこで友人Aの携帯がもう一度鳴りました。
が、友人Aは携帯を見ることなくそれを無視していたので、僕が
「電話無視してやるなよ」
と声をかけたんですが、友人Aは僕の声に気付かないようでした。
フェンスの横には貼り紙があり、4人でそれを見ると、インターネット上の心ない書き込みにより敷地内に人が入って迷惑している、というものでした。
貼り紙を見ながら、友人Bがフェンスの向こうを携帯電話のライトで照らしました。
視界は悪く、2m先すらよく見えない状態でした。
なぜか3人が寒い、寒気がすると言いました。
僕はそんな感覚はなかったんですが、
貼り紙を見たあと後ろに一歩下がった時、あたたかいような冷たいような風を感じ、寒いのは風のせいだろうなと思いました。
それから全員で先に行ってみようということになりました。
フェンスは一部壊されていたので先には進めるのですが、誰も懐中電灯を持っておらず、携帯のライトは光が弱すぎるので入るのをためらっていました。
先輩が
「何か見るかもしれないし、行こうか」
と声をかけました。
いよいよだなーと呟きながら、僕は友人Bの肩を叩きました。
ですが友人Bは、これに気付かないようでした。
そして先輩が一歩足を出したとき、あっと小さく叫んで、
「今の見た?見た?」
としきりに聞いてきました。
僕ら3人は見ていないのですが、先輩にはなめらかに動いている眩しい赤い光が見えたようです。
全員一旦車に戻ろうという結論に達し、車に戻りました。
戻る前に、僕はまだ地蔵を神様か何かだと思っていたので、無事に帰れてよかったという気持ちから一礼をして車に乗り込みました。
車に乗り込んで赤い光について話していると、また友人Aの携帯が鳴りました。
突然友人Aが
「帰りましょう、早く車を出してください」
と言い出しました。
友人Aはかなり焦っていたので、怖くなってその場から離れ、とりあえずファミレスで話し合おうということになりました。
赤い橋を過ぎた頃、友人Aは、車に乗る前に子供の笑い声を聞いたと言いました。
彼が声を聞いたのは僕が地蔵に礼をしたまさにその時だったんですが、まだ僕はその事実に気付かず、声が聞こえたことに関しての話を続けました。
その話をしていると、友人Aがふと
「今道路脇に線のような青い光を見た」
と言いました。
それを聞いて先輩が驚いて、
「あの時車に戻って全員がドアを閉めるまで、サイドミラーに青い光が見えてたんだよ」
と言い、車の中が凍りつきました。
そしてここからはファミレスで話してわかったことなんですが、友人Aの携帯は終始マナーモードで、試しにファミレスで電話をかけてみたのですが振動するだけで音が鳴ることはありませんでした。
そして友人Aの携帯は合計3回鳴ったはずなのですが、入っていたメールは2件、そしてファミレスで試した着信1件のみでした。
数が合わないんです。
友人Aは家の前のフェンスの所で携帯が鳴ったときのみ携帯を見ていません。
つまり誰から着信が来たのか、あるいはメールが来たのかは、まったくわかりません。
そして最もぞっとしたのは、3人はあそこでほとんど僕の姿を見ていないし、声も聞いていないということです。
僕が友人Aにかけた声を聞いたのは友人Bだけで、その友人Bも、友人Aの横にいたはずの僕の声だけしか聞いていません。
僕が友人Bの肩を叩いたのを先輩は見ていますが、友人Bは肩を叩かれていないというし、友人Aもそれを見ていません。
また僕が感じた風も3人はまったく感じておらず、無風だったと言っています。
そして友人Bがフェンスの向こうを照らした時、僕は友人Bの前にいたはずなんですが、今思うとその光に僕の影は映っていなかったのです。
やはり十字を切ったのがまずかったのでしょうか。
今生きているのが不思議なくらいです。

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