死神を見た
2018/07/06
当時、ちょうど受験シーズンで皆必死で受験勉強に励んでいた
ある日、友人が仲間内に
『まぁ、俺との思い出だと思って貰っておいてくれよ』
と一枚のテレホンカード配りだした
テレカをみると、その彼の写真がプリントしてあるものだった
俺も含め仲間達がなんで急にこんなものを…?と不思議がっていた
数日後、その友人は交通事故で亡くなった
もちろん皆で葬式に出席し、その友人の母親に彼から貰ったテレホンカードを見せると『実は…』と母親はテレカを作ったと思われる数日前の出来事を話し始めた
彼が自分の部屋で受験勉強をしていたら、夜中急に母親のところに行き
『なんでもいいから、何か思い出になるような物を作っておきたいんだ』
と言いだしたらしい。
母親が
『どうしたの?いきなり』
とたずねると
『俺もしかしたら近いうちに死ぬかもしれない』
と言いだした
なんでも彼は受験勉強をしてる最中に死神を見たのだそうだ
母親は彼に
『何を馬鹿な事を言ってるの』
とタチの悪い冗談だと思いあまり話を聞いてやらなかった
とは言ったものの、受験勉強による過度のストレスでそんな事を言いだので?とも思ったのだそうだ
まさかこんな事になるとは夢にも思わなかったそうだ
いまでも彼から貰った一枚のテレホンカードは思い出として机の片隅に大切にしまってある