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踏切の夢

2018/06/25

高校生をしていた時のお話です。同じ夢を二、三度見ました。
今までそういう経験がなかった上に、
少し気味の悪い夢だったため、
今でもよく覚えています。夜、家から少し離れた踏み切りの前に私がいます。
もう薄暗くなっていて、
遮断機の降りた時に鳴る独特の音がひどく不気味です。
そんな私の前、遮断機のすぐ手前に、
白い服をきた女の人が立っているんです。
線路の方を見ているので表情を伺うことはできません。
しばらくすると、左側から電車が来ます。
すると電車が目の前を過ぎる直前、女性が遮断機を持ち上げ、
線路の中に入って行きます。
そう、自殺をしようとしているんです。
危ないと思い女性を止めようとしても体が動きません。声が出ません。
電車と女性が衝突する瞬間、決まってその時に目が覚めました。あまりに気味が悪かったため、
いよいよその事を母に話しました。
母は夕方から深夜まで飲食店で働いており、
そのお店は夢で見た踏切の近くにありました。母から聞いたことは、
その踏切ではよく自殺があること。
そして、その近辺で霊を目撃する人が多いということ。母も、仕事が終わってから帰ろうとしたときに、
女の人が歩いているのを見かけました。
こんな深夜遅くに1人で歩くなんて…
と不審に思い、その女性の横を車で通り過ぎました。
どんな顔をしているんだろう、と、
さりげなくバックミラーを覗いてみると、
そこには誰もいなかった…
なんてことがあったと聞きました。しかし私も母も特別幽霊なんて信じないタチでしたので、
その話は時間が経つにつれ忘れられていきました。そんな話をしてからしばらくたった時の事です。私は学校から帰ってくるなり学校でのストレスを母にぶつけてしまいました。
そして母と口論になってしまい、私はふてくされて自分の部屋にこもりました。
そのうち私はウトウトしてしまい、気づいた時には眠っていました。
私が寝てしまっている間に、母は仕事に行っていました。その時に夢を見ました。そう、またあの踏切の夢です。
しかしいつもと様子が違います。
白い服をきた女性…その女性が私の母なのです。
わたしの母が踏切の前に立っているのです。
しばらくするとまた電車が近づいてきます。
そして母が踏切の中に…その瞬間に目が覚めました。
私は妙な胸騒ぎを覚え時計を見ました。
まだ母の仕事が終わる時間ではないことを確認すると、
すぐに母に電話をしました。
帰ってくるときはあの踏切は通ってはいけないと。
それを聞いた母も最初は不審に思っていましたが、
私の鬼気迫る状況に押し負け、踏切は通らないと約束しました。後から聞いた話ですが、その日、あの踏切で事故があったと聞きました。
詳しい話はわかりませんが、
また自殺だったとの事で新聞にも載りませんでした。
それから、あの夢は見なくなりました。
あの女性が、あの踏切に注意しろと伝えたかったのか、
それとも、成仏できない悲しさから誰かを道ずれにしたかったのかは、
よくわかりません。

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