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こっくりさんの呪い

2018/06/25

私には霊感と言われるものはないと思います。
なので、この話にも幽霊オバケの類は一切出てきません。
ただ、私が見えてなかっただけかもしれませんが。
昔、まだ私が小学校5,6年生だった頃のことです。
当時、誰もが知っている「コックリさん」が流行っていました。
オカルト好きだった私や、私の友人達の間でも当然話題になり、是非やってみたかったのですが、何故か学校で
「コックリさんは絶対にやってはいけない」
という規則があると言われ、禁止されていました。
実際にはそんな規則はある訳もなく、恐らく「良くない遊び」としてどこかの親が子供に言い聞かせたか、または誰かがコックリさんに信憑性を持たせるためそんな噂を流したか、だと思います。
しかし禁止されると余計にやりたくなるもので、ある日、私を含む4人でコックリさんをやってみることにしました。
実施する時間はやはり夜が良かったのですが、子供だけでそんな遅くに集まることはできません。
ところが丁度近所で夜祭が開かれており、そこに行くという名目で4人集まろう、ということになりました。
場所は学校の教室にしました。
当日、なんとか4人で学校に忍び込み、教室に集まります。
メンバーはA君、B君、C君、私です。
A君はクラスの中でもリーダー的存在で、このオカルト好き集団の中でも当然リーダーでした。
教室内で、予めA君が用意してきた文字や数字、鳥居などが書かれた用紙を広げます。
そして鳥居の場所に十円玉を置き、それを皆の指で押さえます。
A君が何か呪文のようなものを唱え、準備完了です。
A君「よし、誰かコックリさんに聞きたいことないか?」
私は特に聞きたいこともなかったのですが、B君C君が色々と質問します。
と言っても小学生の他愛のない質問です。
「○○の好きな子は?」「俺、将来何になっている?」「××先生ってカツラだよな?」
などなど。
質問の度に十円玉が文字の上を動き、答えを示します。
私は指に力を入れてなかったのですが、誰かが勝手に動かしているのだろうと思っていました。
他の3人もそう思っていたと思います。
ほぼ予想通りの回答が得られ、恐怖も感じずにわいわいとやっていましたが、これで最後、と言ったA君の質問で雰囲気が変わりました。
A君「コックリさん、最後の質問です。この中で最初に死ぬのは誰ですか?」
私達他の3人は唖然とします。
何聞いてんだ、やめろと言おうとしましたが、すぐに十円玉が動き出します。
私はこの時ばかりは指に力を込め、十円玉を止めようとしました。
しかし止まりません。
十円玉は鳥居から抜け出し、最初の文字に向かいます。
他のB君C君も止めようとした様子でしたが、それでも動きは止まりません。
そしてコックリさんが最初の文字を示しました。
「は」
皆凍りつきます。
それはB君の名前の最初の文字でした。
B君の顔を見ると、見る見る青ざめていきます。
言われもない恐怖を感じ、A君も含み、皆一斉に指を離しました。
B君は半泣き状態です。
何故かA君を攻める気力も失せてしまい、その日はそれで終わりにして各自無言のまま帰宅していきました。
2日後、B君が亡くなりました。
呪いによる不可解な死・・・ではなく、交通事故でした。
しかし当然コックリさんのことが頭に浮かびます。
A君、C君も同じように感じていたと思いますが、お互いにそのことには一切触れず、コックリさんを行ったこと自体、暗黙の内になかった事として忘れることにしました。
それから約8年後のことです。
A君は小学校卒業と共に引越し、C君は私とは違う中学へ行ったため、3人は小学校以降会うことはありませんでしたが、ある日突然A君から電話がありました。
A君「Cと3人で会わないか?」
昔のこともありましたが、どうしても会いたい、というので、1人暮らしをしているというA君の家で3人で会うことになりました。
約束の時間に待ち合わせの場所に行くとC君が既に来ていました。
約8年ぶりでしたが、C君は余り変わっていませんでした。
そして遅れること5分、A君がやってきました。
彼は変わっていました。
昔は活発で運動神経もよく、リーダー的存在だったA君。
しかしその面影はなく、すっかり痩せ細り生気のない顔をしていました。
再会の挨拶もそこそこに、A君はすぐに家に行こうと言うので、3人でA君の家に向かいました。
A君の住んでいるアパートはお世辞にも綺麗とは言えないようなアパートでした。
何となく嫌な感じのする建物でしたが、A君の部屋に入るとその感じは更に増しました。
部屋の壁のあちこちに何やら難しい文字のお札や、写経を写した紙が貼ってあり、変な形の水晶や数珠、お香の道具のようなものが置いてあります。
一体何事かとA君に聞いても何も答えず、取りあえずそこのテーブルの前に座ってくれと言われました。
テーブルの上には一枚の紙が置かれていました。
紙には文字や数字や鳥居の絵・・・
それは忘れもしない、コックリさんの紙でした。
そしてA君がこう言いました。
A君「これはあの時使った紙だ。これからもう一度、コックリさんをやるぞ。」
私達にはA君の意図がまったく理解できませんでした。
2人で理由を問い詰めると、A君はやっと説明をしてくれました。
8年間彼を苦しめ続けている話を。
A君「小学校の頃、コックリさんやったよな?あの時、最後に俺、変な質問したろ?最初に死ぬのは誰だ、って。そうしたら、「は」って、Bの名前の最初の文字指したろ。あれな、本当は名前じゃないんだ。俺が口で言った質問はフェイクみたいなもので、心の中で違う質問をしてたんだ。「コックリさん、Bを呪い殺せますか?」って。その返事だったんだよ。あれは。“はい”っていう返事だったんだ。」
正式(?)なコックリさんの紙には「はい」/「いいえ」のような言葉も書いておくらしいですが、私達のその紙には書いていませんでした。
それというのも、A君が元からその質問をする予定だったので、答えが「はい」/「いいえ」では誤魔化すことができないから、書かないでおいたそうです。
昔、A君はリーダー的存在でしたが、B君も負けず劣らず、頭も良く運動神経もよく、何より格好もよかったのでクラスの人気者でした。
A君は子供ながらに彼を邪魔に思っており、ある時A君が好きだったクラスの女の子がB君を好きだということを知って、B君を憎むようになり、コックリさんをやって脅かしてやろう、と思ったそうです。
話をしているうちにA君は泣き始めました。
しかしB君が死んだのは事故です。
私はオカルト好きではあったものの、人を殺せるような呪いなんてある訳がないと思っていました。
私「あれは偶然が重なった事故なんだよ。Bが死んだのはAの責任じゃないって。」
C君「そうそう。第一そんな呪いなんてあったら、この世の中もっと大変なことになってるぜ?」
A君は首を強く振り、泣きながら話を続けました。
A君「違う。あるんだ。呪いはあるんだよ。霊も居るんだよ。実際にそこに居るんだよ。ずっと居るんだよ。何やっても離れていかないんだよ。」
そこ、と言っても部屋には私達3人しか居ません。
しかし話を聞いているうちに、段々と部屋の空気が重くなり、肌寒いような感じがしてきました。
A君「人を呪わば穴2つって言うだろ?Bを呪い殺してしまった俺が死ぬまで、こいつはずっと離れないんだ。途中で止めたからだ。あれは途中で止めちゃいけないんだ。そんなこと知っていたはずなのに、怖かったから・・・ほんとに怖かったから止めてしまったんだよ。」
A君は叫ぶように言いました。
更にA君は続けます。
A君「何でもやったよ。日本中回ってお払いしたり、お札買ったりお経読んだり。でもダメなんだ。当たり前だよな。だってもうBを死なせてしまったから。もう自分が死ぬまで終わらないんだ。」
そんなことない、ただの思い込みだ、と励ましてももう聞く耳も持たないようでした。
そしてA君は何故今日、私達を呼んだのかを話してくれました。
A君「今日呼んだのは、さっき言った通りもう一度コックリさんをやるためだ。だって、あの時止めたままで終わってるからな。ちゃんと帰さないと。」
事態が飲み込めました。
それなら、コックリさんをちゃんと帰せばA君は助かるのでは?と思い、C君と私は再びコックリさんに参加することにしました。
あの時の続き、ということで「は」の位置に十円玉を置き、指を置きます。
A君がまた呪文を唱えます。
そして言います。
A君「コックリさん、どうぞおかえりください。」
しかし十円玉は動きません。
もう一度言います。
A君「コックリさん、どうぞおかえりください。」
動きません。
私達も声を揃えて言います。
私・C君「コックリさん、お願いです。どうぞおかえりください。」
A君「コックリさん、ごめんなさい。お願いです。どうぞおかえりください。」
すると、十円玉がゆっくりと動きだしました。
・・・鳥居ではなく、文字の方へ。
「お」
そのまま次の文字へ。
「い」
次の文字へ。
「で」
そして鳥居に戻りました。
A君「おいで・・・?」
意味がわかりませんでしたが、C君が早く終わりにするように言いました。
A君「あぁ、ええと・・・コックリさん、ありがとうございました。」
これでコックリさんは終了です。
C君「A、気分はどうだ?」
A君「うん・・・なんか楽になった気がするかな・・・」
私「まだ、何か見えるか?まだ居るのか?」
A君「居ない・・・さっきまで居たとこには居ない。何も感じないし、もう平気なのかな。」
C君と私はホッとしました。
A君もやっとぎこちないですが笑顔を見せてくれました。
その後、3人で外で食事をし、また近いうちに会おう、と言って解散しました。
しかしもう会うことはできませんでした。
その次の日のニュースで、A君が飛び降り自殺をしたことを知りました。
前日にA君と会っていた、ということで警察が私のところに来ました。
現場の状況と、遺書らしきメモ書きから自殺と断定したそうですが、その内容がどうも分からない、ということでした。
そこには一言だけ、こう書かれていました。
「Bが呼んでるから、いってくる」
私の話は以上です。
呪いというのは本当にあるのでしょうか。
私は霊を見ていませんし、コックリさんも、A君が自分自身も知らない潜在意識で十円玉を動かしていただけかも知れません。
しかしその後にB君が事故で死に、それによりA君が長い間苦しみ、最後に死んでいった、というのも事実です。
これは呪いによるものです、と言っても、私は否定できません。

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