囁き
2019/02/09
俺の家狭いんだわ。
で、いまだに母親の寝床の隣で寝てるんだけどさ。
ある日寝てたら金縛りにあったんだよ。
でも金縛りが心霊的なモンだと思ってなかったから、
「ああ、疲れてるからな」
と思って、体が自由にならない状況を楽しんでた。
でも段々体が重たくなってきて、
解ける様子が見えない。
このまま体が動かなくなったらどうしようと、
不安になってきた。
で、首だけがどうにか動いたから、
母さんに助けを求めようとして
左側に寝ている母さんの方を向いた。
でも当然なんだが肝心の声が出なくて、
か細い声にもならない声で、うーうー唸ってた。
そうしてる内にも体はズッシリと重くなり続けて、
脂汗見たいな物が出てきた。
頭の中で母さん、母さんと何度も呼んだ。
でも、母さんは気付かない。
そうこうしている内に、
耳元に冷たいものを感じた。
緊張やら恐怖やらで体は熱いのに、
耳元だけが異常に冷たい。
母さん!母さん!母さん!!
何度やっても同じ。
声は出ない。
しかしその時。
確かに聞こえた。
耳元で囁く女の低い声。
「ココニイルノニ…」
途端、何かが弾けるように、声が出た。
叫んでいた。
汗と涙でぐちゃぐちゃになりながら、
飛び起き、手で何者かを避けるように空をかいた。
母も俺の異常に気付き起きた。
その後は母になだめられたりしてどうにか落ち着き、
また寝たんだが…相当怖かったw
呪いのこもった声音だったんだよ。
本当に殺されると思った。
それ以外には不可解な体験をしたことはない。
て言うかしたくない。