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大好きだったウサギの死

2018/06/20

私が小学生の頃の話です。
これが私にとって唯一の心霊体験になります。
20年も昔の話のため、母から「そういえばあんなことがあったね」と過去の話されるまではすっかり忘れていた話です。私の家では1匹のウサギを飼っていました。
そのウサギは、私たち家族が前に住んでいたアパートの、隣の女子大生から譲ってもらったウサギです。
当時のアパートはペット可のアパートでしたが、彼女がペット不可のアパートに引っ越すことになるので引き取って欲しいとのことでした。
私たち家族とは日頃仲良くしていたし、たびたびウサギも見せてもらっていたため快く引き取りました。私にとって、そのウサギが初めてのペットでした。
白と黒の模様だったので、姉と一緒にシロクロと名付けました。
私も姉もよろこび、シロクロをかわいがり大事に育てました。
お昼寝で一緒に隣で寝たり、家中を走らせて遊んだり、抱っこしてナデナデしたり。ウサギの平均寿命は約6年と、決して長くはありません。
でもシロクロは長生きで、8年目に突入していました。
元気だったシロクロも次第に弱っていき、日に日にやせ細っていきました。ゲージの中で動かず、餌もあまり食べず、寝たきりの状態が続きました。
みんな、もうすぐお迎えがくるんだなと悟っていました。
そんなシロクロが心配で毎日眺めていたものでした。ついにお別れの時が近づき、家族でシロクロを抱えながら囲みました。
シロクロは苦しいのか、目に涙を浮かべていました。
抱き上げるとフワッと軽く、骨と皮の感触しかありませんでした。
それが余計に、これが最期なのだと実感させられました。少しでも痛みや苦しみが軽減されるように、体を撫でたり声をかけたりしました。
8年というウサギにとっては長生きな期間でしたが、思い出がたくさんなだけに私たちは辛く感じました。
「今までありがとう。よくここまで頑張ったね。」と話しかけ、シロクロは目を閉じ、そのまま眠るように息をひきとりました。
庭にある木の下に穴を掘り、みんなでお墓を建てて手を合わせました。それから月日が経ち、私たちはシロクロを思い出すことも減っていきました。
でもそんな日々の中で、私たちにあることが起きたのです。その日、私たち3人はリビングに集まり各々に過ごしていました。
すると本を読んでいた姉が突然、
「え?あれなに?」となにかを見つめていました。彼女の視線の先を追うと、それはテレビの前にいました。白い煙のようなものが、フワァ…っと漂っているのです。
その場にいた3人が見ましたが、それは形を成していて、なにかの生き物のようでした。
そのとき、煙がでるようなものはリビングには一切なく、1人だったら幻かと思うほどでした。
でも姉と母と私の3人が同じものを見ていることによって、それは現実のものだという証拠でした。それはまもなく消えましたが、私たちはキョトンとし状況が把握できずにいました。
そのうちに母が、もしかしてとカレンダーを見ました。「今日はシロクロの命日だ。」私たちは庭にいき、「シロクロのお墓」と記してある場所にいきました。
そこにはシロクロが亡くなった日付も書いてありました。
その日付は、まさにその日の日付だったのです。私たちは驚き、シロクロに向かって手を合わせました。
振り返れば、あの生き物のような煙はシロクロだったんだと思いました。
走るように足を動かしながら、前に進んでいく様子もそっくりでした。その日から、毎年命日にはお墓に行き手を合わせるようにしています。
命日には家にシロクロが帰ってくる日だと思い、大好物だった人参も机の上に置いてあります。

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