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人形

2018/05/31

俺の家に人形があった。
寝かすと目を閉じて 起こすと開けるタイプのやつだ。
薄めの緑の服を着たその人形が俺はたまらなく嫌いだった。
見た目が薄気味悪いというのもあるが、いつも見られてるような気がしていた。
そして中2のある日、俺はその人形を廊下にあるクローゼットの中に無造作に置いておいた。
「あぁスッキリした。これであの気味悪い人形を見なくてすむ」
そう思って俺は少し気が楽になった。
しかし、人形をしまって数週間後、ドコにいても薄緑の何かが視界の隅の方に見えるようになった。
「もしかしてあの人形…?まさかな、そんなことあるわけない」
そう思って俺は、その薄緑の何かに気付かないフリをしていた。
しかし、数ヶ月経っても薄緑の何かは視界に入る。
それでも俺は無視し続けた。
あの人形だと認めたくはなかった。
ある日の夜、俺がテスト勉強をしているときだった。
午前2時。
家族はみんな寝ている。
そろそろ俺も寝るかなと思って伸びをしたときだった。
ミシ…ミシ…ミシ…
俺は凍りついた。
家族は寝ているはずなのに誰かが廊下を歩く音がする。
部屋のドアは開けっ放しだったので、後ろを向けばすぐ廊下が見える。
俺は後ろを確認するか躊躇っていた。
その間も足音は続く。
部屋の前を行ったり来たりするかのように。
俺は覚悟を決め、勢いよく後ろを向いた。
すると足音はピタリと止んだ。
そして誰もいない。
「早く寝よう…」
俺は廊下を気にしながらも部屋の電気を消し、ベッドにもぐり込んだ。
寝てしまえば怖くない。
そう思って目を閉じた瞬間、また足音が聞こえてきた。
部屋の前を行ったり来たり、俺は目を強く瞑り、耳を塞いで、なんとか眠ろうとしていた
いつの間にか眠っていたのだろう。
目が覚めると朝だった。
俺はすぐに親のところへ行き
「昨日ヘンな足音しなかった?」
と聞いた。
しかし親は知らないと言う。
母親は物音に敏感で、足音を全くたてずに階段を下りていても気配で気付くほどだ。
その母親が知らないと言う。
俺は気のせいだったのかなと思い学校へ行くことにした。
授業中、昨夜のコトが気になってどうにも集中できずにいた。
友達に話しでも信じてもらえるはずもない。
「あの人形かな…」
そう思った俺は家に帰ってとりあえず人形を出してみることにした。
授業が終わり家に帰ると俺は人形をしまったクローゼットの扉を開いた。
「ない…!?」
そこには数週間前は確かにあったはずの人形がなくなっていた。
まさか人形が動くわけはない。
たぶん親が捨てるかしたんだろうと思い親に聞いてみた。
「こないだしまった人形 捨てた?」
「え?あんたが捨てたんじゃないの?」

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