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机の中にあった手掻と、夢の中に出てきた顔

2018/05/28

もう、7年ほど前になる2月の冬の事です。
親戚の若い男の子が、20代の若さで自殺をしてしまいました。当時は何も仕事をしていないこともあり、急遽他県にあるその家にかけつけて対応にあたる事になりました。
真夜中に到着しましたが家族のショックは相当なもので、母親は半年程前に他界してもおり、その悲しみも冷めやらぬ間に息子の自殺となり、父親は泣き崩れ、妹もかろうじてという状態でもありました。彼が自殺して亡くなったという話しは、その姿を見るまでは信じられませんでしたが、目の前にはクビに縄痕が残る姿で布団の上に横たわっていました。その日は寝ずに線香番をしていましたが、翌日には親戚やら兄弟の類が集まってきました。
慌ただしい中で葬儀を済ませ火葬をし、とりあえず和室に作られた祭壇に遺骨は置かれました。
葬儀も終わり皆が引き上げようとしますが、兄弟達の話し合いで、しばらく私がこの家に残って家族の相手やら、その後の後始末の手伝いをするように頼まれました。まず、行ったのが彼の部屋の後片付けで、個人的にチェックして不要なもの、必要なものを分けて整理しました。
しかし、彼の机を整理していた時、一枚の紙をみつけました。そこには「○○家の一家を呪い殺してやる」という文字が書かれていました。
この手紙にかかれていた文字の経緯は今となってはわかりませんが、これを家族にみせるわけにもゆかず、私の個人的判断で処分してしまいました。そんな事の合った数日後の夜、疲れていたこともあって電気を消し、彼のベッドで横になって寝てしまいました。
しかし、夢の中で何やら急に顔が出てきてこちらを睨んでいました。
夢の中の私が咄嗟に出たのは「悪霊」という言葉で、次に「臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前」という、修験者の用いる魔除けの九字切りを唱えた所で目が覚めました。豆球だけの薄明かりの中で時計を見ると夜の1時少し過ぎ、急に怖くなり、以後、2週間余りは就寝中でも蛍光灯1本はつけたままで寝ていました。あれ以降、かの顔は出現することはありませんでしたが、私が夢の中で見たものは、若くして自殺したという心的な状況から見た夢なのか、それともあの手紙の主の生霊であったのか、何かの悪霊であったのかはわかりません。
しかし、その数ヶ月後には、父親の母という人も亡くなり、奥さんと息子、母親が1年立たない内に亡くなった事になります。
その時に思い出したのがあの手紙の文字でしたが、それ以降は不幸は続かず、間もなく7年を過ぎようとしています。そして、今でもこちらを睨んでいたアノ顔は、あるお笑い芸人に似ており、彼の顔を見るたびに思い出すのです。

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