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部屋に入ろうとするヤツ

2019/02/21

これは俺が大学一年の五月の話。
親しいヤツにしか話した事がないんだが・・・
地方から出てきて、
大学に入り一ヶ月くらい。
まだ殆ど友達もおらず、
授業が終わると即効でアパートに帰ってた。
とまぁ、ここまではよくある話。
ある日の夕方、
チャイムも鳴らさず
俺の部屋に入ろうとするヤツがいる。
慌ててキーチェーンをして、
直ぐに布団に潜って息を潜めてた。
のぞき窓から確認すれば良かったんだが、
何故かイヤな予感がして
それはやらなかった。
翌日も同じような時間に入ろうとするヤツが来た。
勿論、同じようにキーチェーンをして、
布団に潜り込んだ。
同じくイヤな予感がしたから。
またその翌日も、その次の日も、
同じようにやってくる。
さすがに気味が悪くなってきたころ、
持ち電話がなった。
「おい、K!Kだろ??あれ?」
Kとは俺の名字と似ているが違う名字。
相手「お前何他人のそぶりしてんだよ」
俺「いや、あの、●●といいますが・・」
相手「なんだ、まぁいいや」ガチャ
その少し後、またドアがガチャガチャ。
そのときは、更にイヤな予感がした。
俺の部屋は一階の道路側で、
いつもカーテンを閉めてたんだが、
そのカーテンのすき間から誰かがみてる。
「マズイ」
と思った瞬間、
そいつと目があった。
誰かに似てる?
それから数日、
ドアは開けられそうな事はなかった。
忘れかけそうになってたある日、
キーチェーンをせずに、
鍵だけかけて部屋にいた。
突然、鍵を開ける音が聞こえ、ドアが開いた。
うわ、入って来やがったと思って、
武器になりそうなものを手に取り玄関へ。
俺は凍りついた。
そいつはまぎれもなく、俺だった。
暫く会話したのだが、
内容は良く覚えていない。
ただ、その後、あいつは来なくなった。
一体、なんだったんだろう。
未だによく解らない。

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