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夏服の少女

2018/05/28

女子高に在籍時には、色々な怪奇現象にみまわれたんですが、その中でも私的に一番怖かった話を…
或る冬の日、隣のクラスと合同で音楽の授業を、授業を受けてました。
クラッシック音楽を聴き、その後感想文を書くと云う退屈極まりない時間。
ふと横を見ると、何席か離れたトコロに見慣れないコが…
『隣のクラスのコも大体把握してた筈だったんだけどな~』
その時は、その位にしか思ってませんでした。
退屈な授業が終わり、もう一度、その席を見ると、そのコの姿は既に無く、私はもの凄い見落としをしていた事に気付いたんです。
『あのコ……夏服だった……』
暫く、寒気が抜けませんでした。
しかし、これは恐怖の始まりでしかなかったんです。
その日の晩、私は、自室の雨戸を叩く大きな音で目が覚めました。
ガンガンガンガンガンガンガン!!!!!!
私の家は、当時平屋で決して広いとは言えないモノでした。
しかし、誰一人起きて来ないのです。
その音はどんどん大きくなっていくと云うのに……
そして雨戸を叩く音が止んだ、その時…
ヌゥ~と雨戸も窓も通り抜け、巨大な顔が現れたのです。
そう、大会議室で見た、あのコ……
しかし、ポッカリと穴が開いた様に、顔の部分だけ真っ黒で何も見えないのです。
そういえば、私は彼女の顔を見た覚えが無かった!!
声を出そうにも、恐怖の余り何も発する事が出来ない!
巨大な顔との睨めっこは、朝方迄続きました。
朝になると、巨大な顔は消えました。
私は、家族に何であんなに大きな音がしたのに、誰も来てくれなかったの!と訴えました…が、家族は誰もそんな音は聞いていないと云うのです。
私は一睡もしないまま、学校へ行きました。
勿論、憑き物落としの親友(Aちゃんとします)に助けを求める為でした。
Aちゃんは、まず部屋の四隅に盛塩をして、御神酒をあげて。とアドバイスをしてくれました。
部屋が汚れるから、半紙でもティッシュでも良いから、それで塩を包んで輪ゴムで止めれば大丈夫だからと。
お札を書くのに、何日か掛かるから、その間、そうしていれば、部屋に入ってこれないからと。
Aちゃんは学校が終わると、すぐに家に帰って御堂にこもり、3日程で木製の札を仕上げてくれました。
「しばらくの間、肌身離さずにしていれば、他の場所に移るから…」
彼女が言った通り、それからは、そういう出来事は無くなりましたが、今思い出してもゾッとする出来事でした。
あの彼女は私に何をして欲しかったんでしょう。
未だに謎です。

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